契 約 執 事。 3 《 Kazunari Ninomiya 》

《73》2人の純粋な男　　　　(4/6) ページ25

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「叫んだの。本当に急で、このままじゃ死んじゃうと思っちゃって･･･。」


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先ほどより芯のなくなった声で、俺と同じように汗が噴き出した額をぬぐいながら相葉さんはいった。


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相葉さんの話によると、本当に突然、目を見開いて叫んだのだという。


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「ホントになんかの病気なんじゃないかって、なんで俺もっと早くに起こしてあげなかったんだろうって……。」


「大丈夫、ただの夢だから……。」


「……ニ ノぉ〜…。」


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見る見るうちに涙を落として抱きつく相葉さんを、この時だけは静かに受け止め、爽やかな朝の光と携帯のアラームを聞いていた。


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それからアラームのスヌーズ機能が何度目かの音楽をつげたあと、俺の服に塩のシミをつけて立ち上がった相葉さんは、


家では初めて見る執事服というやつをとりだしこう言った。


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「これニ ノにあげる!!」


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正直、このひとことでさっきの自分の行動を大いに疑った。←


相葉さんいわく、泣いていたら執事服を買い換えていて、いらなくなったものを俺にあげようとしていたことを思い出したそうだ。


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俺のことを泣くほど心配してくれているのか、

それともおさがりの執事服が大事なのか……、



そんなよく分からない純粋男だが、



執事服をもらってなのか、

泣くほど心配してくれてなのか、



俺もよく分からないけれど嬉しかった。

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