パパの憂鬱

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全く組織というものは…




我が社がスポンサーとなった映画の撮影が、
来週クランクインになるにあたり激励のため、スポンサーや芸能事務所、出版社、映画会社などが改めて一同に介するパーティが開かれるらしい。



何せ、中学生にして大層な賞を受賞した小説の映画化、話題作りにはもってこいだ。
おまけに、今トップアイドルとして芸能界ではひっぱりだこの、クールボーイの1人が、初めて役者として主役に抜擢されたということであれば殊更だ。




しかし、私には関係のない話だと思っていた。



なのに


「いやぁ、我々はあちらにも既に面識がありますし、宣伝渉外部の人間だけじゃ場の雰囲気が緩むっていうか、こういう場に、本社の部長がいてくれるだけで場が引き締まるってものなんです。
こうスポンサーの威厳って言うんですかね、社長とかそこまでの手を煩わせるほどの規模のパーティじゃないんですよ。」


「プレス入れてるわけじゃない、身内の気楽なパーティなんで、是非出席お願いしますよ。」



と、宣伝渉外部の上層部からパーティへの出席の依頼が私に来たのはどういうことか…



聞けば、もう既にわたしの上司でもある取締役には許可を得ているとのこと。
全く…現場畑で働いてきた私に、一体なにをしろと言うのか。



取締役が出席すればいいものを、いささか面倒ごとを押し付けられた気がしないでもない。



いや、それが正解か…



何はともあれ、パーティは開催され、私は多少場違いな雰囲気に圧倒されつつ、映画監督の挨拶を聞いている。

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