100% PURE HONEY chapter2

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５時半くらいになって、としくんが現れた。

私の大学の入学式に着てたスーツを着て。

「としくん！」

思わず駆け寄って、抱きついてしまう。

なのに、としくんは笑顔で抱き留めてくれて、

「A、みんな見てるよ。」

って、笑ってる。

慌てて離れて、ロビーの端っこに連れて行く。

「急にごめんね。」

「いいよ。
クリスマスにAに会えてよかった。」

「バイトは？」

「休ませてもらった。
こんな大事な日に、バイト行ってるわけにはいかないでしょ？」

たった２日間、としくんに会わなかっただけなのに、こんなに会えるのが嬉しいなんて。

「もう、このまま私を連れて帰ってくれたらいいのに。」

なんて、ポツリと本音を漏らしてしまった。






としくんは、急に真面目な顔になって、

「せっかくAの両親は、Aとクリスマスを過ごしたくて日本に帰って来たのに。
連れて帰れないって。
これも親孝行だよ。」

そう言って、私を宥める。

わかってたよ、そう言われるの。

でも、としくんの顔を見たら、我慢できなかったんだもん。

「早く来過ぎちゃったけど、大丈夫だった？」

って、としくんはロビーを見渡してるけど、

「私なんか、５時から待ってたもん。」

そう告白したら、としくんは本気で笑ってるし。

「A、そんなに俺に会いたかったの？」

なんて言われるけど、当たり前じゃん。





今日の夕食は、ホテルの最上階にあるレストラン。

案の定、としくんはすっかりうちの両親に気に入られて、楽しく食事してたんだけど。

食事も終わりかけた頃、お母さんがとしくんを質問攻めにし始めた。

「いつからAと付き合ってるの？」

私達は顔を見合わせる。

やばい…。

急な食事会だったから、口裏合わせとか全然できてなかった。

出来れば、本当のことは親には知らせたくなくて。

としくんとは、最近付き合ったっていう風にしたかったんだけど。





としくんは、お母さんの方へ向き直ると、

「Aさんが高校３年生の春からです。」

なんて、正直に話すから、驚いて、

「としくん！」

って、その言葉を制止する。

お母さんは驚いてるし、私も思いっきり動揺しちゃってるし。

でもとしくんは、

「A、正直に全部話そう？」

って、私に笑いかける。





「Aさんの隣に部屋に住んでて、それで知り合いました。」

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