100% PURE HONEY chapter2

95 ページ45

なんだか、今日のとしくんも、いつもと違うよね。

だから私も、ドキドキが止まんないのかも。

さっきからとしくんの顔を見れないし、キスの後もずっと俯いたまま。

「どうする？今しちゃう？
それとも、一緒にお風呂に入る？」

そう聞かれて、すかさず、

「お風呂！」

って言ってしまった私に、としくんは苦笑い。

別にしたくないわけじゃないんだよ。

今日の私はおかしいから、このまま始まっちゃうと、どうなるか自分でも予測つかないし。

なんだか怖いから、ワンクッション入れたかったんだ。







だけど２人でバスルームを覗きに行ったら、ここもシングルサイズであまりに狭くて。

２人入ったら、きっとぎゅうぎゅうだなって感じ。

どうしようかと思って、隣のとしくんを見上げたら、

「いいじゃん、２人で入っちゃおうか。」

って、目を細めて私の頭を撫でてくれた。







だけどやっぱり、お湯を張ってはみたものの、とても２人で入れるような状況ではなくて。

でも、としくんは先に入って私に手招きをする。

「ここにおいで。」

って、自分の膝の上を指差して。

やっぱり、２人でお風呂とかいうのも、かなり恥ずかしいんだけど。

部屋のお風呂も狭いから、あんまり２人で入ることもないもんね。

体に巻いてるバスタオルも脱げなくて、

あんまり恥ずかしいから、バスルームの明かりを勝手に消した。

ドアを少しだけ開けて、部屋からの明かりが漏れ入る状態でお風呂に入る。

としくんの膝の上に座ってみたら、いきなり威勢よくお湯がバスタブから溢れて行くから、それが面白くてずっと眺めてた。








「A、そんなに恥ずかしかった？」

って、としくんは笑ってるけど、恥ずかしいに決まってるじゃん。

「でも、暗いお風呂っていうのもいいね。
なんか新鮮。」

そう言って、背中から私をやんわりと抱きしめてくれる。

「…A？」

もうとしくんの声は甘い感じになってるし、耳元で話されるから、もうドキドキが止まんないんだって。

なんかやっぱり…、初めてのお泊まりって感じ。








「俯いてたら、キスできないじゃん。」

って、私の顎を指で掴んで、後ろから器用にキスしてくれる。

としくんの指はもう、違う部分に移動してくるし。

やっぱりベッドがいい、って言いたいけど。

さっきからキスが止まんないし。

たまに漏れる声や音が、バスルームだからエコーがかかって変な感じで。

そこから先はもう、記憶にないくらい。

96→←94

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す