100% PURE HONEY chapter2

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「じゃあ、としくんもしたかったの？」

「当たり前じゃん。」

その言葉を聞いて、安心して、そのまま目を閉じる。

よかった。

本当はとしくんも我慢してたんだ。

だって、毎日のようにしてたのに、急になくなったら、誰でも不安に思うよね。

安心したら急に眠くなってきた。

だって、今日はとしくんが帰ってくるの、ずっと待ってたし。

「…A？誘っといて先に寝ちゃうわけ？」

って言うとしくんの声が、耳元で聞こえてくるけど。

それすらも、眠気を誘う子守唄みたいに聞こえてくるくらい、としくんの声ってすごいんだよ。

としくんの声を聞いてると、いつも心が落ち着くし眠くなってしまう。









本当にとしくんは金曜日には、バイトを辞めて帰ってきた。

「これでしばらくAと一緒に過ごせるー。」

って、私を背中から柔らかく抱き寄せて。

「じゃあ、ここで発表があります。」

改まってとしくんが言うから、私も正座して、としくんの腕の中から抜け出す。

「…何？」

向かい合わせで、としくんの言葉を待つ。






「Aを明日から旅行に連れて行きます。」

「ほんとに！？」

そういえば、この間も言ってたよね？

旅行に行きたいって。

「どこに行くの？」

「んー、Aの行きたがってたとこ？」

私の行きたがってた場所ってあったっけ？

自分でも思いつかない。

「わかんないよ。」

「ディズニーランド。
A、行きたがってたでしょ？」







そうだった。

ずっと前にとしくんに言ったことがあったよね。

いつか、としくんとディズニーランドでデートしたいって。

いつも２人で一緒に部屋にはいるけど、デートとかあんまりしたことなかったから。

憧れてたんだ、ディズニーデート。

「でも、旅行ってことはお泊まりなの？」

「そう。２泊３日ね。
Aが泊まりたがってた、アンバサダーホテル、何ヵ月も前から予約しといたんだ。」

その言葉を聞いて、もう次の言葉が出てこない。

としくんは、この旅行のために昼も夜もバイトしてたんだ、とか。

何ヵ月も前からこっそり企画してくれてたんだって思ったら。

もう胸が痛くなって、言葉の代わりに涙しか出てこないし。

「もう、何で泣くの？Aは。」

って、としくんは笑顔で抱き寄せて、背中をポンポン優しく叩いてくれるけど。

それが余計に、泣けちゃうんだって。

…としくん、大好き。

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