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「あーあ、Aには内緒にしとくつもりだったのに。」

そう言って、としくんの指は私の頬から離れる。

「何?内緒って。」

「2月の前半はバイト入れまくって、2月の後半はAとゆっくり過ごそうと思って。
サプライズで、週末にAにそのこと発表しようと思ってたのに。
Aとどっか、旅行でも行きたいなー、って思って。」

…なんだ、考えてくれてたんだ。

ちゃんと、私のこと。

そう思ったら、ほっとして、ぽろっと涙が零れる。





「なんで泣いてるの?
嫌だった?」

としくんの指が、私の涙を掬いにくる。

「違うよ。
安心したから、涙出た。」

「そっかそっか。」

としくんは、ようやく私に腕を伸ばしてきて、抱き寄せてくれた。

最近、こういうのもしてなかったよね?

だって、いつも私が寝た後に帰ってきて、朝目が覚めたら、いつの間にか隣に寝てて。

ずっと寂しかったよ。






「すぐにお風呂に入ってくるから待ってて。」

としくんは私の頭をまた撫でてから、バスルームに入って行く。

その時点で、私はもう決めてた。

今日は、私からとしくんを誘おうって。

だから、バスルームから出てきたとしくんに、自分の方から抱きついた。

「どうしたの?A。」

って、としくんは優しい声で私に訊ねる。

「早く寝よう?」

そう言って自分からベッドに誘って。

いつもは、灯りもとしくんに消してもらうのに、自分から灯りを消して。







でも、ここからどうしたらいいんだっけ?。

とりあえず、キスしようと思って、としくんの上に乗ってみる。

唇を近づけようとしたら、

「A、したいの?」

って、逆に甘い感じで、髪を撫でられて。

急に恥ずかしくなった。

だから、としくんの上から降りて、背を向けた。

「あれ?したかったんじゃなかったっけ?」

からかうように声をかけられても、恥ずかしくて耳を塞ぎたくなってくる。

だって、もう1ヶ月もしてないんだよ?






「違うよ。
もういいの。」

「何がもういいわけ?」

「最近、としくんは全然私に手を出してこないし、もう私のこと飽きちゃったのかなーとか。
いろいろ不安だったから。」

そう言ったら、後ろから柔らかく抱き寄せられて、また髪を撫でられる。

「A、そんなこと思ってたの?
可愛い。」

って、笑われるけど。

私は至って真剣なのに。

「よかった、Aがそんな風に思ってくれてて。
Aはしなくても平気なのかなって、俺も不安に思ってたから。」

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宮田くん?(プロフ) - わかめさん» こんばんわ!まさか返信をいただけると思っていなかったのでとても嬉しいです( ; ; )!更新楽しみに待っています\(^o^)/ (2017年6月13日 23時) (レス) id: a5a408bf95 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - kanna1015tさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)m長々とお待たせして申し訳ないです。もう4話くらい出来上がってるんですが、なかなか更新するに至らず(/ω\*)でも近々更新しますので、その時は読んでくださるとうれしいです(/ω\*) (2017年6月13日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna1015t(プロフ) - 初めまして!宮田担です!この作品とっても大好きでずっと前から見させてもらってました!>_<続きが早く見たいです。、 (2017年6月12日 0時) (レス) id: a5a408bf95 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 俊哉の専属メイドさん» おはよーん♪ドキドキときめいてくれて、ありがたいですわー(*´ ˘ `*)ウフフこれからも頑張ります!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
俊哉の専属メイド(プロフ) - わかめちゃん!!更新お疲れ様!久しぶりにドキドキときめいたよ!これからも応援してまーす!! (2016年11月5日 2時) (レス) id: 8f1a1eba1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年2月19日 13時

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