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凜ちゃんは言いにくそうに続ける。
「あの時は大騒ぎになって。
ちょうど、サッカー部が試合でいない日だったんだけど、「宮田くんを連れて来て」って彼女が騒いだから、試合中の宮田先輩が呼び出されたよね。」
「まあ、俺も宮田もあの時は補欠だったから、すぐに戻って来れたんだけどさ。
入院先から抜け出してきて、飛び降りるって大騒ぎして。
結局、あの騒ぎの後、彼女の親が宮田から引き離すために、遠くの病院に転院させて、そのまま自然消滅みたいになったんだけど。」
そっか…。
そういう意味での自然消滅か。
でもそれって、としくんにもうそんな気持ちはなくても、彼女にはあるかもしれないってことだよね?
「他にもいろいろあったけど。
言い出したらキリがないから。
とにかく、酷かったってこと。
彼女の全てが宮田になっちゃってて。
要するに、宮田を縛り付けておきたかったんだよね。
最後には「学校にも行くな、ずっと傍にいろ」って脅迫みたいなことまで言いだして。」
玉森先輩は、腹立たしそうに言うけど、
「でも、誰が悪いわけじゃないよ。
彼女も病気だったから。
病気がそうさせてたわけ。
宮田の優しさに、つい甘えてしまった、みたいな。」
って、ちゃんとフォローしてくれる。
元カノさんの気持ち、なんとなくわかるよ。
私がもし、入院するような病気になっちゃったら、そうなっちゃうかもしれない。
しばらく、そんな話をしていたら、としくんが学食にやってきた。
としくんの姿を見ると、ほっとするけど、なんだかやっぱり体が勝手に緊張してしまう。
「A、帰ろう。」
優しくそう言って、手を差し出してくれるから、
恐る恐るその手を取ってみる。
なんだか不安になって、凜ちゃんの方を振り返ったら、
「大丈夫だよ。
また明日ね。」
って、手を振ってくれたから、としくんに手を引かれて学食を後にした。
帰り道、手を繋いだまま、2人とも珍しく無言で駅までの坂道を下ってる。
でも、繋いだとしくんの手のひらが、暖かくてすごく安心できた。
としくんは何を考えてる?
隣から、としくんの横顔をチラ見。
珍しく硬い表情をしたとしくんは、そんな私の視線に気づいて、すぐに目が合ってしまう。
「A、ごめんね。」
「何がごめん?」
「Aのこと、悩ませて。
Aが悩んでるの知ってたけど、言い出せなかった。」
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宮田くん?(プロフ) - わかめさん» こんばんわ!まさか返信をいただけると思っていなかったのでとても嬉しいです( ; ; )!更新楽しみに待っています\(^o^)/ (2017年6月13日 23時) (レス) id: a5a408bf95 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - kanna1015tさん» はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)m長々とお待たせして申し訳ないです。もう4話くらい出来上がってるんですが、なかなか更新するに至らず(/ω\*)でも近々更新しますので、その時は読んでくださるとうれしいです(/ω\*) (2017年6月13日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna1015t(プロフ) - 初めまして!宮田担です!この作品とっても大好きでずっと前から見させてもらってました!>_<続きが早く見たいです。、 (2017年6月12日 0時) (レス) id: a5a408bf95 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 俊哉の専属メイドさん» おはよーん♪ドキドキときめいてくれて、ありがたいですわー(*´ ˘ `*)ウフフこれからも頑張ります!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
俊哉の専属メイド(プロフ) - わかめちゃん!!更新お疲れ様!久しぶりにドキドキときめいたよ!これからも応援してまーす!! (2016年11月5日 2時) (レス) id: 8f1a1eba1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年2月19日 13時