100% PURE HONEY chapter2

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大晦日の夜は、去年と同じ。

家族で買い出しに行って、みんなでこたつでテレビ見ておしゃべりして、年が明けてすぐ、近くの神社に初詣に行く。

やっぱり今年も、としくんは私を厚着させて、マフラーでグルグル巻きにして、初詣に連れて行ってくれた。

去年の初詣にお願いしたこと。

『ずっと、としくんといられますように。』

すごいよ、叶ってる。

この神社、すごくない？

だって、この後、としくんにプロポーズされたんだもん。

だから今年はもっと、欲張る。

『としくんの就職が希望通りに決まりますように。
私が卒業したら結婚できますように。
２人で、今より大きな部屋に引っ越して、楽しく過ごせますように。』

今年は長めにお願いしたのに、お詣りが終わって隣のとしくんを見たら、まだお願い事してて、

目が合うと、

「今年も俺の方が長かったね。」

って、笑ってる。

そんな、としくんが好き。

どうか、今年もよろしくね。

今年だけじゃなくて、この先もずっと。





今年は、家族は先に帰ったから、２人で屋台をウロウロして、家でさんざん食べてたのに、また買い食い。

神社の端っこの石段に座って、たこ焼きやフランクフルトを買ってきて、分け合って食べてる。

「A、ここ、ケチャップついてる。」

って、としくんが唇の横を指差すから、

指で拭おうとしたら、そのままぺろっと唇の端を舐められた。

「もー！としくん。
こんなに人がいるんだよ？」

「あれ？舐めたことは怒んないんだ？」

なんて、笑われるけど。

そんなとしくんの横顔を、私はじっと見つめてる。

としくんと出会ってから、私の人生って変わったな、って。

毎日、楽しくて嬉しくて幸せで恥ずかしくて愛おしくて胸が痛くて、もう仕方ないんだよ。

こんなに私のことを愛してくれる、家族以外の人って、としくん以外にいないから。





「何？」

私の視線に気づいたとしくんが、私の方を見る。

「見てただけだよ？」

「何？俺もケチャップついてる？」

「ついてるよ。」

そう言って、としくんの唇に自分の唇を押し付けるように重ねた。

まだ、自分からキスするの下手なんだって。

そこは許してね。

唇を離したら、急に恥ずかしくなって、

「…嘘。
ついてないよ。」

そう言って、俯いた。

だけど、としくんは私の顔を覗き込むようにして、下からもう一度キスをしてくれた。

そのキスは、甘くて、優しくて。

なんか、としくんそのものみたいなキスだった。

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