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なんとか帯を外すことに成功した私達は、カーテンを固く閉め切った室内で、ベッドの上にいた。

「浴衣とか脱がすの、ドキドキしない?」

満足げな表情の裕太くんは、私のこめかみに唇を寄せる。

その唇はこめかみから頬に移動して、そのまま唇に降りる。

「とうとう、しちゃうね。
…結婚。」

くすくす笑いながら、今度は唇を首筋に寄せて。

今夜の裕太くんは、ずいぶん余裕だ。

「わかんないよ?
うちの親が反対したらどうするの?」

そう言った途端に、裕太くんはくすくす笑うから、吐息が首筋にかかってゾクゾクする。

「大丈夫じゃない?それは。」

「何でそう思うの?」

「うーん…、ちょっと前にね、緑ちゃんにサラッと聞いてみたんだよね。
Aと学生結婚とかしちゃダメ?って。」

…驚いた?

そんなこと聞いてたの!?









「何て言ってた?」

「Aがいいって言うなら、いいよって。」

…何それ。

そんな簡単でいいわけ?

「だから多分、許してもらえるよ。」

この会話が前戯中に行われているってことも不思議なんだけど、それよりも裕太くんがいつもと違って余裕たっぷりなのが気になっていた。

「なんか、今日はいつもと違うね?」

だって、いつもがっつき気味じゃん。

最近、こんな風にゆっくりとしたことなかったよね?

すぐに脱がしちゃったり、手順を省いちゃうことだってあったじゃん。









「だって、幸せだから。」

ようやく顔を上げた裕太くんは、本当に幸せそうな顔をして、また柔らかく唇を落とす。

「ようやくAを独り占めできるんだって思ったら、うれしいから。」

裕太くんは変わったよね。

そんな人じゃなかったじゃん。

結婚したがるとか、そんなキャラじゃなかったくせに。

「まあでも、シンガポールにAを連れて行くって言ったら、反対されちゃうかもね」

そうだね。

うちの母は予測不能だから。

でも···、許してもらえるといいね。

そうしたら私達は、すぐにでも籍を入れて、

私は玉森になって、学生結婚のはじまり。








遠くでは、まだ花火大会の会場に残ってる人達の騒めきが聞こえてる、不思議な夜。

とうとう私たちは、一歩先へ進んでしまうんだろうか。

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クッキーベル(プロフ) - 昨年のクリスマスからこの作品を今日までで一気読みさせていただきました!!すごく面白くて続きが気になります!!!更新大変だとは思いますが、これからも頑張ってください!!応援してます!! (2021年1月2日 19時) (レス) id: 456e770b4f (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 楽しみに更新待っていますね。^_^ (2020年7月28日 0時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
bakutan(プロフ) - こんばんは!この物語とても好きです!ゆっくりでも良いので更新再開してください!!楽しみに待ってます! (2020年6月3日 19時) (レス) id: dde750c273 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» こちらも大変お返事が遅くなりまして!こちらも読んでくださってるとは、ありがとうございます。こちらは更にのんびり更新でやってますが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2020年3月2日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - こんばんは!こちらも楽しみに読んでいます。めちゃくちゃ素の玉ちゃんが出てる感じでリアル感もあり楽しみです!ゆっくりご都合良い時に更新してくださいね^_^楽しみに待ってます。 (2020年1月25日 22時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2019年10月6日 21時

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