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「…うん。」
って、Aはなんだか乗り気じゃなさそう。
「木下くんのことは、そりゃ少しは嫌だな、困ったなって思うけど。
そんなに嫌じゃない。」
「…どういう意味？」
「だって、木下くんは私のことちゃんと見ててくれるから。
それがうれしかっただけ。」
「俺だって見てるじゃん、Aのこと。」
「見てるよ？最近はね。
でも、ちょっと前まではそうじゃなかった。」
それきり、Aは口をつぐんでしまう。
そっか…。
俺、そんなにAのことほったらかしにしてた？
毎日お互いの部屋で会ってたし。
俺なりに、いつも通りだと思ってた。
多分俺は、何も言わずに我慢してたAに甘えてたんだと思う。
「ごめんね。」
もう一回、Aのことを抱き寄せて、
何度も何度も、子どもにするように頭を撫でる。
Aは何も言わないけど、さっきのように、ただ俺に抱かれてるだけじゃなくて、
ちゃんと俺のシャツの胸のところを掴んでくるから。
伝わってるよね？俺の気持ち。
「でも、俺の一番は何があってもAだから。
それだけはわかって。」
そう告げたら、ようやくAは重い口を開く。
「私もニカ先輩達の役に立ちたいよ？
協力するのも全然したい。
でも、健永くんは私よりニカ先輩達の方を中心に考えてたから、それが少し嫌だった。」
…これがAの本音。
今まで、言いたいの我慢してたんだって思ったら、可愛くて仕方なくなる。
この部屋はもう、明日引っ越しだから段ボールでいっぱいで。
ベッドの上しか空いてないけど、いい？
すぐにベッドに連れ込んで、Aにそっとキスしようとするのに、ぷいっと顔を背けてくるし。
「…まだ拗ねてんの？」
優しくそう聞いたら、
「拗ねてないし。」
って、まだ不貞腐れたようなAの返事。
「キスしたいんだけど。」
「…やだ。」
「何で？」
「私からしたいから。」
そう言って、俺の首に腕を回してきたAの、柔らかい唇がそっと触れた。
唇が離れた後も、ぎゅーっと俺にしがみつくように抱きついてきて。
「…ごめんね。
ニカ先輩にヤキモチやいて。
今まで健永くんは私のことだけ見ててくれてたのに、急にニカ先輩のことばっかになったから、寂しかった。
でも、こんなこと言っちゃいけないと思って、ずっと我慢してた。」
…A、可愛すぎない？
Aがいてくれるから、ニカのことだって頑張れるのに。
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ゆいゆい(プロフ) - 俊くんのに続きコメント失礼します。実は私、宮千好きなので、このお話もとても大好きです！！健永くんと主人公ちゃんの今後も気になりますが、二人の過去の事も、もっと見てみたいなぁと思いました！生意気言ってすいません。わかめさんの作品大好きです！ (2017年9月7日 1時) (
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作者名：わかめ
| 作成日時：2016年5月22日 2時
