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今日から、仕事の後もバイトの予定を入れてる。

定時で終わったら、すぐに玉森くんを連れて部屋に戻り、速攻でごはんを食べさせて、

「10時には戻るから!」

って、バタバタと部屋を飛び出した。

4時間近く働いて、10時過ぎに帰ってきたら、

何故か不貞腐れてる玉森くんのお世話を開始。

今日は何が気に入らなかった?

ごはんの内容?

それとも、かまってあげなかったから?

なんだかね、育児か介護してるような気分になるよ。





ルーティンワークのように、ドライヤーをかけてたら、いきなりドライヤーを持つ手を掴まれた。

「…もういいから、ドライヤーとか。」

不貞腐れた顔で、ソファーの隣に座れ、と無言で促してくる。

恐る恐る隣に座ると、いきなりこっちに向き直ってくる玉森くん。

「お前、何やってんの?毎日。
土日は家にいないし、今日は夜もいないし。
何やってるわけ?」

「…いろいろ?」

曖昧に返事してみる。

とにかく、知られたくなかった。

玉森くんのために、私がバイトしてることなんて。

私の最後のプライドだから。






「まあ、お前が何してようと勝手だけどさー。
俺の面倒見るって話じゃなかった?」

「見てるよ?」

「放置すんなよ、毎日。」

「つきっきりでお世話した方がよかった?
玉森くんだって、1人の時間が必要でしょ?」

「…お前、一人前に口答えすんなよ。」

って、偉そうな口調。




「あとさー、昼の、何あれ?」

栞ちゃんの発言のことか…。

あの話、突っ込まれたくないから、早く寝かしちゃおうと思ってたのに。

「だから、ダイエットしてんだって。」

深く突っ込まれないように、先に言い訳をしとく。

なのに、

「お金、厳しいの?」

って、玉森くんは眉を顰める。

「…大丈夫。」

「ほんとに?」






「私が生活費出すって言ったんだし。」

「…食費は出すわ、さすがに。」

「大丈夫だよ。」

とか、言ってみる。

本当は全然大丈夫じゃないけど。

なのに玉森くんは、

「ちょっと俺、お前に甘え過ぎてた?」

急に可愛い目をして、私をじっと見てくる。

やばい…。

この目を直視しちゃダメだって。






「全然。
本当に大丈夫。」

本当の私ならきっと、ここで、「大丈夫じゃないから、贅沢しないで」とか言っちゃうんだろうけど。

玉森くんに対しては言えない。

あと、1カ月半だしね。

どうせ玉森くんを諦めるんだから、少しでも綺麗な思い出として残しておきたいんだ。

私のことを。

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わかめ(プロフ) - 夕空さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありませんm(__)mキュンキュンしていただいてありがとうございます(*^-^*)これからも頑張りますので、また読んでやってくださいませ(*^-^*) (2017年1月29日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
夕空(プロフ) - 2話とも、凄く面白くてキュンキュンしてますヽ(*´∀`)ノこれからも頑張ってください!! (2017年1月19日 16時) (レス) id: a68f5393cb (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます♪ちょっとドSな玉森さんなんで、怒られるかもー、なんて、ドキドキしながら書きました(^^)これからも頑張ります(´∇`) (2016年7月31日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とってもドキドキしました〜!(^∀^)今までにないようなお話で、とても気に入りました(#・ー・#♪)これからも、頑張ってくださいね! (2016年7月28日 13時) (レス) id: 0c0813c9ee (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - さやさん» ありがとうございますー(/ω\)ドSが受け入れてもらえるのかどうか、ドキドキしながら書いてました(/ω\)続編も書いてみたいなーと思い中です♪読んでくれてありがとうございました(*^-^*) (2016年6月17日 8時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年5月4日 2時

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