原色Ｂ型男子図鑑

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なるほど。

最初から私は、あの２人を合コンに参加させるために利用されたってわけね？

２人は今頃、どんな感じなんだろう。

玉森くんは…、なんか想像がつくな。

いつものクールな感じで、無愛想炸裂してそう。

二階堂くんは…、翠ちゃんに迫られて意外に鼻の下を伸ばしてるかもね。

いや…、意外に玉森くんもチヤホヤされて楽しんでるかもよ？

あーあ、女子同士の付き合いって難しいな。

特に男子が絡むと、尚更。









２１時頃までパソコンルームで作業をしていたら、ふらりと二階堂くんが顔を覗かせた。

「ここにいたんだ。」

って、やけに疲れた顔をして。

「手伝いに来てくれたの？」

「てか、もう９時回ってるし。
そろそろ閉室じゃね？」

「じゃあ何しに来たのよ。」

「…文句言いに。」

デスクに向かってる私の隣で仁王立ちしてる二階堂くんは、いつもとは違う雰囲気で。

最近私の前で見せてくる天真爛漫さは全くなくて、気怠い黒いオーラを纏っているような。

あまり見たことのない二階堂くんだった。









「帰るよ。」

って、隣から威圧感たっぷりに見下ろされるから、慌てて帰り支度をして部屋を出た。

校舎の外に出ると当たり前だけど真っ暗で、さっきから二階堂くんは全然口を開いてくれない。

だから私から話を振ってあげる。

「今日どうだった？」

翠ちゃんといい感じになれたんじゃないの？

もしかして告白とかされちゃった？

なのに二階堂くんは、ジロリと私を一睨みして、また無言で歩き出す。

正門を出たら、二階堂くんはぼそぼそと低い声で、

「…送るわ。」

そう告げると、また前を歩き始めた。









電車に乗っても、不機嫌は変わらないまま。

マンションまでの夜道で、ようやく二階堂くんは重い口を開いた。

「Aは知ってたわけ？
今日のこと。」

「知ってたって？」

「あれ、ゼミの飲み会じゃなかったんだけど。
男は俺と玉の２人しかいないし。」

本当に！？

合コンだと勝手に勘違いしてた。

「女の子は何人いた？」

「…５人。」

なるほど。

今日は二階堂くんと玉森くんを囲む会みたいになってたんだ。

「翠ちゃんもいた？」

恐る恐るそう聞けば、二階堂くんは急に立ち止まる。

「Aは知ってたわけ？」

私に向き直ると、怖い目をしてじっと私を見つめてくる。

私はその視線を逸らしてしまうのが怖くて、何故か目が離せなかった。

「…何を？」

「あの子が俺のこと好きだってこと。」

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