37 ページ37
絢が帰ってすぐに、二階堂くんはこっそり病室に戻ってきた。
「あいつ、もう帰った？」
って、厭そうな顔をして。
「苦手なんだって、あいつ。
前のグループワークで一緒だったけど、超うるさくて。
後半は俺らのことずっと無視してたからね。」
それはあんた達が何もしなかったからでしょ？
それは今も変わんないけど。
お昼前に無事退院になった私は、二階堂くんに付き添われて自宅へ。
今日の新しい発見！
二階堂くんは実は気が付く男子だったってこと。
荷物は持ってくれるし、ドアは開けてくれるし、まるでお姫様のように私を扱ってくれる。
…というより、過剰に過保護。
私の一歩前を歩きながら、何度も何度もこちらを振り返って。
私の部屋まで送り届けてくれて、
「じゃあね、ありがとう。」
って部屋に入ろうとしたら、何故かそのまま部屋に入ってきてしまう。
「Aが寝るまで見届ける。」
頑なにそう言い続けるから、私も折れた。
「…じゃあ、私が寝たら帰ってよ。
鍵はポストに入れといて。」
久しぶりの自分のベッドは落ち着く。
だけどベッドサイドに座り込んで、じっとこちらを見つめてくる、二階堂くんの視線がウザくて…。
だから壁の方を向いたら、
「そっち向いてたら、寝てんのかどうかわかんないし。」
とかってブーブー言ってくるから、仕方なく仰向けになって目を閉じた。
意外と、二階堂くんは心配性なんだな。
瞼を閉じてると他の感覚が敏感になって、二階堂くんのいる辺りからぽかぽかと熱のような温かさを感じて、急に眠気が襲ってくる。
いつも１人でいるこの部屋に誰かがいるっていうのは、意外にいいかもしれない。
目覚めた時はもう、すっかり日は暮れてて。
さすがに二階堂くんはいなかった。
あの後、すぐに寝付いた私に満足して帰宅したんだろう。
まだ頭がジンジン痛いから、ゆっくりと起き上がる。
私の後頭部は何針か縫われているらしい。
ベッドの上でぼーっとテレビを見てたら、いきなりドアホンが鳴った。
恐る恐るモニターを覗けば、いつもの不機嫌そうな玉森くんの姿。
「玉森くん？」
そう返事をした私に、玉森くんは無表情で、
「開けて。」
って愛想なく言うと、そのまま目を伏せた。
え？開けてって…、ここに入って来るってこと？
待って！
散らかってるし、男子は入れたくないんだけど。
…あ、でもさっきまで二階堂くんがいたんだっけ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1534人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかめ(プロフ) - keitoさん» びっくりしましたねー。まさかB型の歌を歌うとは。本人でMVとかやってほしかったなあ♪ (2020年4月5日 15時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - おめでとうございます。ご本人達に(ニカ玉ユニット)歌ってもらえましたね。主題歌が決まったのならば、あとはご本人主演で映像化を、待つだけですね。ユニット曲聴いて、真っ先にここを思い出しました。とりあえず、玉ちゃんへんを読み終えました。 (2020年4月5日 14時) (レス) id: 0d6a979b75 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ATさん» そうなんですよ、乙女ゲー感覚で選択してもらえると面白いかなって思いまして。私も選ばれなかった方を不憫に思ってしまうので、この方式を採用してみました♪ (2018年3月21日 16時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まきこさん» ちょっと、まきこさん例え上手すぎ！！！自分だけに懐く大型犬、まさにそれ！！結局、ニカさんを選んだのかしら♪ (2018年3月21日 16時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
AT(プロフ) - わぁ〜！こういう感じで進んでいくんですね！！玉ちゃんもニカちゃんもどっちもかわいいし、主人公ちゃんに選ばれなかった方の気持ちがツラい…って思ってたので、これなら安心して(？)両方読めますw続きも楽しみにしてますね♪ (2018年3月21日 10時) (レス) id: 47ef217b76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わかめ
| 作成日時：2018年1月8日 2時
