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でもきっとこの人は、私が好きになってはいけない人なんだと思う。
玉森くんを好きな女の子は、世の中にたくさんいて。
きっと、こんな風に玉森くんと一夜を共にするなんて行為は、とんでもないことなんだろうな。
そう思ったら急に、目の前の玉森くんをどう扱っていいのかわからなくなってきた。
「Aって、俺のこと興味ないだろ。」
ベッドの上を片づけながら、玉森くんは私を見もせずにそんなことを言ってくる。
「全然見ないし、俺のこと。」
「見てるよ。」
「そう?
俺がAのことを覚えたのって、俺に全く興味を示さなかったからなんだけど。」
「どういう意味?」
「俺も佐藤先生の授業を受けてたってことも、知らなかったくせに。」
確かに知らなかったけど。
玉森くんがいつも一番後ろの席に座ってるからじゃん。
それに私は、佐藤先生をいい席でガン見したいし。
「大学の女子はみんな、遠巻きに見てくるっていうか。
とにかく大学では、女子の視線がいつも鬱陶しいから。」
「自意識過剰じゃん、それって。」
なんて言ってみるけど、多分玉森くんの言ってることは当たってる。
私は玉森くんのことを、全く意識してなかったから。
だから玉森くんがモデルをしてることなんて知らなかったし。
今こうして改めて玉森くんを観察してみて、私はひどく動揺してる。
いつも偉そうなくせに、ちょっとしたことで顔を赤くする玉森くんの可愛さに、とうとう気付いてしまったから。
「俺の恋愛話とか、本当は興味ないくせに。」
「あるよ。」
「何で?」
何でって…。
面白いから?
そんなこと言ったら、玉森くんはまた不機嫌になるのかな。
「もう何年も恋愛してないよ、俺。」
意外に冷静な声でそう告げた玉森くんの唇が、あまりにぷるぷるで可愛らしくて。
また触りたくなったのを、ぐっと我慢してた。
「モデル始めた頃から、変なファンがついちゃって。
半分ストーカー?みたいな。」
「ストーカー?」
「この間、Aといた時に手紙渡してきた子達の中にいたんだけどね、その子。」
大学の近くで待ってた、あの女の子かな。
「いつもいるんだよね、その子。
俺の行く先々に。」
「何かされたの?」
「何も。
でも俺の家も知ってて、いつも朝とか家の近くで俺のこと待ってる。」
何だそれ!
何もして来なくても、全然怖いよ。
「実は、パーティーの帰りにもいたんだよね、あの子。
会場のそばに立ってた。」
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わかめ(プロフ) - keitoさん» びっくりしましたねー。まさかB型の歌を歌うとは。本人でMVとかやってほしかったなあ♪ (2020年4月5日 15時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - おめでとうございます。ご本人達に(ニカ玉ユニット)歌ってもらえましたね。主題歌が決まったのならば、あとはご本人主演で映像化を、待つだけですね。ユニット曲聴いて、真っ先にここを思い出しました。とりあえず、玉ちゃんへんを読み終えました。 (2020年4月5日 14時) (レス) id: 0d6a979b75 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ATさん» そうなんですよ、乙女ゲー感覚で選択してもらえると面白いかなって思いまして。私も選ばれなかった方を不憫に思ってしまうので、この方式を採用してみました♪ (2018年3月21日 16時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まきこさん» ちょっと、まきこさん例え上手すぎ!!!自分だけに懐く大型犬、まさにそれ!!結局、ニカさんを選んだのかしら♪ (2018年3月21日 16時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
AT(プロフ) - わぁ〜!こういう感じで進んでいくんですね!!玉ちゃんもニカちゃんもどっちもかわいいし、主人公ちゃんに選ばれなかった方の気持ちがツラい…って思ってたので、これなら安心して(?)両方読めますw続きも楽しみにしてますね♪ (2018年3月21日 10時) (レス) id: 47ef217b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2018年1月8日 2時