原色Ｂ型男子図鑑

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そういう流れで、一旦は終結したかと思ってたのに。

何故か今２人は、私のマンションでエレベーターを待ってるところ。

「なかなかいい所に住んでんじゃん。」

さっきからやたらと機嫌のいい二階堂くんとは対照的に、私はさっきから仏頂面。

結局あれから「ここで朝までとか嫌だー！」とか大騒ぎするもんだから、周りの人からは迷惑そうに見られ、店員さんにも注意され、

いたたまれなくなって、私の部屋へ移動することになったんだけど。

…なんだかハメられた感がすごくて、全然納得出来ない！









仕方なく部屋に入れれば、二階堂くんはまた大騒ぎ。

「なんか女子の部屋っていい匂いする。」

とか言いながら、部屋のあちこちの扉は開けるわ、しまいには真冬の深夜にベランダへ続く窓まで開け放してしまう。

…どんな躾をされたら、こんな野生児が育つんだよ？

全く理解できないんだけど！！！

窓を全部閉めて、暖房をＭＡＸにして、机の上に二階堂くんの部屋から持ってきたノートパソコンを置いてやる。

二階堂くんのマンションに寄った時、二階堂くんは本当に感じが悪くて。

部屋の前で私を置き去りにして、

「絶対入んなよ？
ここで待ってて！」

って何度も念押しされて、本当に部屋にすら入れてくれなかったし。









私も向かい合わせに自分のノートパソコンをセットすると、向かい合わせで作業。

最初は集中して無言で作業してたくせに、３０分もしないうちに飽き始めたのか、いろいろ話しかけてくるようになる。

「Aの部屋に来る男って、俺が初めて？」

だけど二階堂くんのそういう不躾な質問にももう慣れてきたから、

「二階堂くんは？
何で部屋に誰も入れないわけ？」

なんて質問返しで答えてみる。

「１人の時間を大事にしたいから。」

「それだけ？
実はめっちゃ散らかってるとかじゃないの？」

「逆。
超綺麗だから、俺の部屋。
見せたいくらい。」

「じゃあ入れてよ。」

「無理。」








「誰も入れたことないの？」

「あるよ。
でも、誰かいると落ち着かないから。」

「彼女も入れないわけ？部屋に。」

そう切り返せば、ほら、また黙り込むくせに。

絶対いないよね、彼女。

例え彼女がいたとしても、あんなに忙しい生活を送ってたら、彼女にも逃げられちゃうよ。

だけど二階堂くんは急に真面目なトーンになって、低い声でボソっと呟いた。

「本当に好きだって思える子しか、俺の部屋には入れたくないから。」

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