TURQUOISE -BLUE-

7 ページ7

｢どうする？キスする？｣

息がかかりそうなくらいの距離で、健永くんは囁く。

｢それはやめとく。｣

｢何で？｣

｢もしキスして、私が、やっぱり健永くんのこと好きじゃないって気持ちになったら、
健永くん、傷つかない？｣

そう聞いたら、健永くんはすーっと私から離れていく。

｢…それは嫌かも。｣





｢もし健永くんにキスしたくなったら、私の方からしていい？｣

｢いいよ。｣

｢でも、健永くんの方が、｢あれ？なんか違うかも｣って思ったらどうしよう。｣

くすくす笑いながら言ったら、

｢それは絶対ないわ。｣

つか、言い切るから。

やっぱり健永くんは可愛い。

可愛いって感情だけじゃ、だめなのかな。






「ごめんね、健永くん。
まだ健永くんが好きなのかどうか、よくわからない。
だから、もう少し時間くれる？」

そう言ったら、本当に嬉しそうな顔で、

「いいよ。」

って、笑うから。

思わず、ぎゅーって抱きしめたくなる。

しないけどね。

もう健永くんは、家族とか友達として接してはいけない存在になったから。









その日からの私は、ずっと健永くんを観察してる。

健永くんはあの告白から、私とは少し距離を置くようになった。

いつもは普通にハグとかしてたのに、してくれなくなったし。

ソファーでいつも並んでくっついて座ってたのに、あの日からは、少しだけ２人の間に隙間が空いてる。

だから、わざとその隙間を埋めるようにくっついて座ると、さりげなく健永くんはまた隙間を開けてくる。

それの繰り返し。

だから今日は、

「なんで離れて座るの？
いつもくっついてたじゃん。」

って言ったら、少ししゅんとしながら、

「今までと同じようにはできないよ。
Aちゃんには俺のこと、ちゃんと男として意識してほしいし。
今までみたいに、普通にスキンシップとかしてたら、ますますAちゃんは俺のこと男としてみてくんないじゃん。」

なんて言ってくる。






「でも、いつもハグとかしてたのに、してくれないのは寂しいな。」

「Aちゃんが俺のことを好きになってくれたら、いつでもするよ。
もちろん、それ以上も。」

「私は健永くんのことが好きだよ？」

「それは、人間としてって意味だろ？
そうじゃなくて、恋愛対象でちゃんと好きになってほしいから。」

8→←6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す