TURQUOISE -BLUE-

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いきなり、そんなハードルの高いことを私に求めるなんてひどくない？

「俺は言えるよ？
Aちゃんの好きなところ、いっぱい。」

知ってるよ。

だって、いつも教えてくれるもんね、私の好きなところ。

「Aちゃんは俺のどこがいいわけ？
そういうの、話してくれないとわかんないんだけど。」

えー？言うの？それ。

私だって、いっぱいあるよ？

でも、なんか口に出すのが恥ずかしいだけ。






「じゃあ、目を閉じて聞いてるから。
教えて。」

って、健永くんが目を閉じる。

本当に目を閉じてるのか、瞼の前で何度か手を振ってみるけど反応はないから。

瞼を閉じてる健永くんを、じっと見つめてみる。

睫毛長いなー、とか。

目を閉じた時の形が綺麗だなー、とか。

そんなことばかりを考えていたら、

「まだ？」

って、急かされるから、仕方なく話し始めた。






「まずは、優しいとこ。」

「それから？」

「あと、気が利くところ。
私の気持ちとかすぐにわかるし、わかった上で私のして欲しいことをすぐにしてくれること。」

そんな話をしているうちに、だんだんと健永くんの表情はうれしそうに緩んでくる。

でも、

「それから？」

って、まだねだってくるし。

「その綺麗な顔も好きだよ。」

「えー？綺麗とか男に言う？
なんか、恥ずかしいんだけど。」

少し照れたように、目を閉じたまま笑うと、

「それから？」

って、まだせがんでくる。






「あと、私の嫌がることをしないこと。」

「…しないよ。
Aちゃんの嫌がることは。
そういうの、俺は嫌いだから。」

うん、健永くんのそういうところが好き。

好きって気持ちを、ただ押し付けてくるんじゃなくて、ちゃんと私の状態も見ながら、伝えてくれるところとか。

「あと、健永くんは人より愛情の割合が大きいんだと思う。」

そう言ったら、健永くんは不思議そうに、

「何それ？」

って聞いてくるけど。

私にもよくわかんない。

でもね、普通の人の５倍くらいはありそうなんだよ、健永くんの愛情って。

いつも、その愛情が抑えきれなくて、溢れてきてるんだと思う。

私に毎日、「好き」って言ってくれることとか、

毎日、ハグしてスキンシップしてくれるとことか。

健永くんの、そういうところが好き。

だから、健永くんのこと信じて、ついて行こうって思えるようになったんだよ？

…そこまで言わなきゃだめ？

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