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夕立はなかなか止まなくて、
「これ、本当に夕立?」
って、健永くんに聞いたら、
「もうすぐ上がるよ。」
なんて言うから、2人で雨が過ぎるのを、ベッドの中でじっと待ってた。
「何でわかったの?夕立って。」
「なんかねー、昔からわかるんだよね。」
「もうすぐ雨が降るって?」
「夕立だけなんだけどね。
どんなに晴れてても、夕立の匂いでわかるんだよね。」
って、健永くんは意味わかんないことを言う。
「なんか湿った匂いがするんだって。
そうしたら、10分後くらいに夕立が来る。」
「そうなんだ。」
そう相槌を打ったら、健永くんはくすくす笑い出す。
「この話して、納得してくれたの、Aちゃんだけだわ。」
「そうなの?」
「この話したら、みんな変な目で見るか、笑うかどっちかだもん。
だからさー、Aちゃんのそういうとこが好き。」
最近、健永くんの「好き」攻撃にも、少しずつ慣れてきた。
『Aちゃんの、こういうとこが好き』
って、健永くんは、私の好きな部分をいっぱい教えてくれるけど。
私はその1/100も、「好き」を健永くんに返せてなくて。
なんだか焦るくらい。
素直になって、言えばいいのに。
なんか…、言えないんだよね。
「Aちゃんにお願いがあるんだけど。」
そう言って、健永くんは寝そべったまま、私の髪を撫でる。
「何?」
「そろそろ、準備、始めてもいい?」
「準備?」
「結婚の。」
結婚!?
もう?!
確かに、名古屋について行って結婚って話にはなってたけど。
私的には、「いずれ」とか、「そのうちに」的な感じだと思ってた。
私があんまり驚いてるから、健永くんは、
「Aちゃんの考えてること、当ててあげようか?」
なんて笑顔で言ってくる。
「結婚!?今!?
早くない!?
って、思ってんじゃない?」
当たり。
「あ、今、当たりって顔したー。」
って、健永くんはくすくす笑う。
「Aちゃんの考えてることはわかるよ。
すぐ、顔に出るから。」
「結婚の準備って、何をするの?」
「とりあえず、親に紹介したいんだけど。」
やっぱりそう来たか。
そういう現実的な話になると、私は急に弱気になる。
だって、5歳年上だし。
健永くんはまだ大学生だし。
もちろん、就職は決まってるわけだけど。
反対される材料は、たくさんあるよね。
私なんか何の取得もない、ただの本ヲタクの書店員だし。
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わかめ(プロフ) - かぴさん» コメントありがとうございます。千賀担さんに、そう言ってもらえるのが本当に幸せです(*^-^*)もうすぐ終わっちゃうのが残念ですが、千賀くんを書くのが好きになりましたー(*^-^*) (2016年9月5日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - りたさんの書く作品すべて読んでますが、この作品が一番大好きです!千賀担なのですが、むしろこの千賀くんがいちばんきゅんきゅんします!本当に本当に大好きです。これからも応援しています。 (2016年8月30日 0時) (レス) id: 6713246979 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - moemoepiさん» うわー♪そんなこと言っていただけて、ほんとうにありがたいです。私もこの千賀さんは可愛くてカッコよくて、かいてて楽しいです(*^-^*) (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - せんがまり。さん» ありがとうございますー。もうすぐ終わっちゃいますが、最後までよろしくですー。 (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
moemoepi(プロフ) - TURQUOISEの千賀くんがこのサイトの中で一番好きな千賀くんです!!これからも更新頑張ってください!応援していてます! (2016年8月16日 18時) (レス) id: 5863ad448d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月6日 23時