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「…わかってるよ?」

「そう?ほんとにわかってる?
その割には落ち着いてない?」

「健永くんは将来社長になるかもだから、そういう相手と付き合えるか?ってことだよね?」

そう答えたら、健永くんは深いため息をつく。

「あのさ…、当たってるけどハズレ。
俺が言いたいのは、Aちゃんに社長夫人になれるのか?って聞いてんだけど。」

「社長夫人!?!」

つい、大声が出てしまう。

「…ちょっと、Aちゃん静かにして。
ここ、深夜の住宅街なんだから。」

健永くんが慌てて私の口を押さえる。






「とりあえず、帰ろう。
帰ってからゆっくり話さない?」

そう言って、また健永くんは私の手を繋ぎ直して歩き出す。

部屋まではあと少しなのに、なんだかものすごく遠くに感じるくらい、頭がふわふわしてる。

何?いきなりこの展開。

今さっき付き合い始めたばかりだよね?私達。

それが何で社長夫人とか、そんなスケールの大きな話になるわけ?

それに今時、「社長夫人」って!そんな言葉、久々に聞いたような気がする。






部屋に帰ってきたら、健永くんはいきなりベッドの上に正座して、手招きで私を呼ぶ。

私もベッドの上に上がって、健永くんと向かい合ってみる。

「あのさ…。」

「待って!」

あんまり健永くんの様子が仰々しいから、話を一旦止めて、私も正座し直す。

「いいよ。」

そう言ったのに、健永くんは溜息をつく。

「Aちゃん、今から真剣な話するから。
それに、言っとくけど俺、もう酔いとか冷めてるからね。」

「うん。」

「ちゃんとしておきたい話だから、真面目に聞いてくれる?」

今度は声に出さずに、小さく頷いた。





「俺の就職する会社のことだけど。
本社は名古屋にあるんだ。」

「そうなんだー。知らなかったー。」

そう、のん気に答えたら、

「Aちゃん、真面目に聞いてくれるかな。」

ってまた、すぐに健永くんに窘められる。

これじゃあ、どっちが年上なんだかわかんないね。

「俺は東京支社希望なんだけど、多分…、名古屋勤務になると思う。」

「何で?!」

「名古屋が本社だし。
多分、研修も兼ねてしばらくは。」

「しばらくって、どれくらい?」

「多分、2、3年はあっちにいると思う。」





「じゃあ、私達遠距離恋愛になっちゃうの?」

「…まあ、そういうことになるかも。」

って、健永くんは視線を斜め下に落としてしまう。

「でも、東京と名古屋なんて新幹線ですぐだよね?」

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わかめ(プロフ) - かぴさん» コメントありがとうございます。千賀担さんに、そう言ってもらえるのが本当に幸せです(*^-^*)もうすぐ終わっちゃうのが残念ですが、千賀くんを書くのが好きになりましたー(*^-^*) (2016年9月5日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - りたさんの書く作品すべて読んでますが、この作品が一番大好きです!千賀担なのですが、むしろこの千賀くんがいちばんきゅんきゅんします!本当に本当に大好きです。これからも応援しています。 (2016年8月30日 0時) (レス) id: 6713246979 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - moemoepiさん» うわー♪そんなこと言っていただけて、ほんとうにありがたいです。私もこの千賀さんは可愛くてカッコよくて、かいてて楽しいです(*^-^*) (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - せんがまり。さん» ありがとうございますー。もうすぐ終わっちゃいますが、最後までよろしくですー。 (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
moemoepi(プロフ) - TURQUOISEの千賀くんがこのサイトの中で一番好きな千賀くんです!!これからも更新頑張ってください!応援していてます! (2016年8月16日 18時) (レス) id: 5863ad448d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月6日 23時

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