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「今度から、健永くんの本音を聞きたい時は、お酒を飲ませることにするね。」

帰り道、2人で繋いだ手をぶらぶらさせながら、部屋までの道を歩いてる。

昨日もこうして2人でこの道を歩いたのに、なんだか今日は景色が違って見えるよ。

「…俺、酔っちゃうといろいろ感情が爆発してしまうみたい。
だから、Aちゃんの前では飲んだことなかったのに。」

なんだ、自分でも自覚してたんだ。






脇道に入ったところで、健永くんはいきなり立ち止まる。

「あのさ…、俺、本気だからね?」

って、手を繋いだまま、真剣な表情で。

「怖いって思われるかもしれないけど、Aちゃんとの将来のことまで考えてるよ。」

将来のこと?

健永くん、ちょっと走り過ぎじゃない?

今さっき、私達はようやく付き合い始めたところなのに。

「だから、それも踏まえて、Aちゃんにちゃんと言っておかないといけないことがある。」

「…何?」

「俺がずっと、Aちゃんに秘密にしてきたこと。」

健永くんの眼差しが、真っ直ぐに私に向けられてるから、私も健永くんの目を見返してみる。







「もう就職決まってるって言ったよね?俺。」

「うん。」

「そこの会社…、俺の実家がやってる会社なんだけど。」

「自営業なの?」

そこまでは、私も普通に聞いてたけど。

健永くんの口から会社名が出された時、繋いだ手が解けちゃうくらい、驚いた。

だって、一流企業だよ?

知らない人いないよね?

「俺、今の社長の息子で、長男。
だから、跡取りなんだよね。」






なるべく冷静に考えようと思うのに、頭がうまく回らない。

え?何?健永くんは、あの会社の跡取り息子で。

だからもう、早々と内定が決まってて。

それで、私との将来のことも考えてるって。

えー!?それって急展開過ぎない?!

「やっぱ、引く?」

健永くんが解かれてしまった手を、もう一度繋いでくる。

「だから、言いたくなかったんだー、Aちゃんには。」

健永くんは寂しそうに呟くけど。

「だからかー!」

って、私は変に納得してる。

「前に、箱入りの松坂牛を買って来たことあったでしょ?健永くん。
そっかー、なんか納得した。
健永くんはそう言うの、食べ慣れてるんだね。」

そう言ったら、思いっきり健永くんに呆れられた。

「そういう問題じゃなくてさー。
俺が聞きたいのは、将来俺は社長になるかもだけど、それでも付き合ってくれる?ってことなんだけど。」

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わかめ(プロフ) - かぴさん» コメントありがとうございます。千賀担さんに、そう言ってもらえるのが本当に幸せです(*^-^*)もうすぐ終わっちゃうのが残念ですが、千賀くんを書くのが好きになりましたー(*^-^*) (2016年9月5日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - りたさんの書く作品すべて読んでますが、この作品が一番大好きです!千賀担なのですが、むしろこの千賀くんがいちばんきゅんきゅんします!本当に本当に大好きです。これからも応援しています。 (2016年8月30日 0時) (レス) id: 6713246979 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - moemoepiさん» うわー♪そんなこと言っていただけて、ほんとうにありがたいです。私もこの千賀さんは可愛くてカッコよくて、かいてて楽しいです(*^-^*) (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - せんがまり。さん» ありがとうございますー。もうすぐ終わっちゃいますが、最後までよろしくですー。 (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
moemoepi(プロフ) - TURQUOISEの千賀くんがこのサイトの中で一番好きな千賀くんです!!これからも更新頑張ってください!応援していてます! (2016年8月16日 18時) (レス) id: 5863ad448d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月6日 23時

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