TURQUOISE -BLUE-

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「関係あるよ。
またあいつに泣かされたりして、慰めるのは俺の役目だし。」

「もう大丈夫だよ。
それにあの人のことはもう、好きじゃない。」

「じゃ、何で会うわけ？」

普段はあんなに優しくてしっかりしてるのに、こういう時になると、健永くんは感情的になる。

でも、こんな感情的になってる健永くんの方が、私は好きだな。

ほんとの健永くんって感じ。

いつもの健永くんは、何か感情を押し殺してるって感じだから。

世話好きなのは素なんだろうけど。

ほんとの健永くんは、そんなにしっかりしてないと思う。

私とこの部屋にいる時の健永くんは、なんか無理してる感じ。

なんとなく、わかるんだ。

だって、私の方が健永くんより、５年も早く大人になってるから。






「答えてよ。
何で会うわけ？」

いつまでも怒ってる健永くんが可愛くて、両手を伸ばしてみる。

そっと、健永くんの頬に触れてから、首に腕を回してぎゅっと引き寄せた。

頭を抱えるみたいにして抱き寄せたら、ほら、やっぱり可愛い。

私に抱き寄せられた健永くんは、急におとなしくなるし。

「…もー、いつも俺が怒ってる時に、こんなことするのやめてよ。」

とか言いながら、私の腰に緩く腕を回してくる。

私の肩にちょこんと顎を乗せて、それでもまだぶつぶつ文句を言ってる。

「何であいつもAちゃんに会いに来るかな。
ありえないんだけど。
自分から二股とかかけといて、「やっぱりお前じゃなきゃダメだから」とか言ってきたんじゃない？」

よくわかってるじゃん。

一字一句その通りだよ。






「もう好きじゃないから、会っても全然平気。」

私はそう言うけど、

「そんなわけないじゃん。
Aちゃんは優しいから、つい情に流されそうで嫌なんだって。」

って、健永くんは信じてくれないし。

「黙ってたけど、昨日の夜も来たんだよ、あの人。この部屋に。」

「そうなの？」

「そう。
出なかったけどね。
インターホンに画像残ってるよ。」

「…そっか。」






健永くんは私から体を離して、至近距離から私を見つめてくる。

「ほんとに好きじゃないの？あの人のこと。」

「うん。好きじゃない。
だって、私のこと裏切ったし。
一度でもそういうことされると、もうだめなんだ、私。」

「もしかして、前にもそんなことあった？」

健永くんはいつも、こうやって私の目を覗き込んでくる。

そうしていつも、言いたくないこととか、言えないこととか、結局言わされちゃうんだ。

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