TURQUOISE -BLUE-

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そっか。

健永くんにアルコールを注入すると、こうやって、本当の気持ちを話してくれるんだ。

それなら、もっと早くに飲ませちゃえばよかった。

「俺の連絡、無視してたくせに、急に店の名前教えてきて。
迎えに来たところで、藤ヶ谷さんといるところ見せつけて。
それって何？
俺を振ろうと思って、そういうことしてるわけ？」

そんな怒ってる健永くんを見てると、私は変な気持ちになってくる。

なんだか…、目の前の健永くんが愛おしくてたまんないんだけど。

「俺と付き合いたくないなら、はっきりそう言えばいいじゃん。
藤ヶ谷さんを使ってまで、俺に諦めさせようとしてる？」

「違うよ。」

健永くんは至って真剣なのに、私はつい笑みがこぼれてしまうから、健永くんはますます詰め寄ってくる。





「何で笑ってるわけ？
そんなに可笑しい？
俺のこと、バカにしてる？」

「してないよ。」

「じゃあ何！？」

こんなに怒ってる健永くん、初めて見た。

でも、それだけ私のことを真剣に好きでいてくれるんだろうな、って思ったから。

健永くんが怒る度に、私は笑顔になっていく。

「健永くんって可愛いなー、って思って。」

そう言ったら、いきなり健永くんはフリーズしてしまう。





「…は？」

「だって、私のことでそんなに一生懸命怒ってくれるなんて、可愛いなって思ったんだもん。」

そう言ったら、

「…何それ。」

って、健永くんはそれきり、黙り込んでしまう。

「別に、健永くんに意地悪しようと思ってここに呼んだんじゃないよ。
なんか、最近の私と健永くん、なんかよくない感じだったじゃない？
だから、なんかこういう雰囲気、終わらせたかったんだ。」

「…意味わかんねーし。」

不満げに、健永くんが口をとがらせるけど、

それすらも可愛らしく見えてしまうから、もう仕方ないよね。






「嫌いになった？私のこと。」

そう聞いたら、ゆっくりと私を見て、

「嫌いになれるんだったら、もうとっくになってる。
Aちゃんが俺のこと遠ざけようとしてるのは、なんとなくわかってたよ？
それでも、諦めきれなかった。
どうしても、Aちゃんが欲しいから。」

って、真剣な眼差しで言ってくれたから。

もう私はそれだけで満ち足りた気分になれた。

だから、今度は私から言ってあげる。





「健永くん、好きだよ。」

そう言ったら、健永くんは目を見開いて驚いてる。

やっぱり、ふられるって、思ってた？

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