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従業員出口を出たら、いつも健永くんが待ってくれている場所で、藤ヶ谷さんが待ってくれていた。
「お疲れ。
近くの店、予約しといたから。」
そう言われて、並んで歩き出す。
なんか、新鮮だな、こういうの。
いつもはこの道を、健永くんと手を繋いで帰ってるから。
藤ヶ谷さんが予約してくれていた店は、和食屋さんの個室で。
「ここなら、静かだから、ゆっくりAちゃんの話が聞けるしね。」
って、やっぱり藤ヶ谷さんは完璧だよ。
気が利いてる。
そりゃ、モテるはずだよね。
大学の時からずっとモテてたし、今だって藤ヶ谷さんが来ると、書店の女の子達が騒ぎ出すくらいだから。
「じゃあ、聞かせてもらおうかな。」
でも、目の前の藤ヶ谷さんは楽しそうにそんなことを言ってくるから。
…やっぱり、意地が悪いと思う。
アルコールの勢いもあって、ついつい普段言わないようなことまで、洗いざらい藤ヶ谷さんに話してしまった。
健永くんとの現況も、私の気持ちも、全部。
「要するにAちゃんは、千賀くんの心変わりが心配なんだろ。」
藤ヶ谷さんにそう言われるけど、
本当はね、もう何が不安なんだか、自分でもよくわからなくなってきてる。
「だって、最近まで年の差とか感じたことなかったわけじゃん?
なのに、急に年の差が気になり始めたってことは、Aちゃんも千賀くんのこと好きになってるってことじゃない?」
…うん、そこまではなんとなくわかってる。
「好きってわかってんなら、飛び込めば?」
「…他人事だと思って、適当に言ってない?」
「俺ならそうするって思ったから言っただけ。
とりあえず、付き合ってみて無理だなって思ったらやめたらいいんだし。
付き合う前からウジウジ悩んでんのって、無駄じゃない?」
まあ、確かにそうなんだけどね。
踏み込みにいつも時間がかかるのは、いつもの私の悪い癖。
「さっきから、ずっと携帯震えてるけど?」
…それもわかってる。
健永くんからのLINEだってことも。
開かなくてもディスプレイに出てくるから。
[どこで飲んでんの?]
[もう終電なくなっちゃうよ?]
[迎えに行くから。]
藤ヶ谷さんはディスプレイをチラ見して、
「愛されてんねー。」
って笑う。
「そんなに、踏み込む勇気がないなら、試してみれば?」
「どういう意味?」
「嫉妬させればいいじゃん、千賀くんに。
で、その時の千賀くんの出方を見て、決めたら?」
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わかめ(プロフ) - かぴさん» コメントありがとうございます。千賀担さんに、そう言ってもらえるのが本当に幸せです(*^-^*)もうすぐ終わっちゃうのが残念ですが、千賀くんを書くのが好きになりましたー(*^-^*) (2016年9月5日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - りたさんの書く作品すべて読んでますが、この作品が一番大好きです!千賀担なのですが、むしろこの千賀くんがいちばんきゅんきゅんします!本当に本当に大好きです。これからも応援しています。 (2016年8月30日 0時) (レス) id: 6713246979 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - moemoepiさん» うわー♪そんなこと言っていただけて、ほんとうにありがたいです。私もこの千賀さんは可愛くてカッコよくて、かいてて楽しいです(*^-^*) (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - せんがまり。さん» ありがとうございますー。もうすぐ終わっちゃいますが、最後までよろしくですー。 (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
moemoepi(プロフ) - TURQUOISEの千賀くんがこのサイトの中で一番好きな千賀くんです!!これからも更新頑張ってください!応援していてます! (2016年8月16日 18時) (レス) id: 5863ad448d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月6日 23時