TURQUOISE -BLUE-

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「…でも、Aちゃんのそんな性格知ってて、俺はこの部屋に押し掛けたからね。
なんとなく、Aちゃんは断らないってわかってた。」

私って、そんなに断れない感じ？

断りたいことはちゃんと断ってるよ？

｢Aちゃんの、そういうとこも好き。
でも、誰でも簡単に受け入れそうで、そういうとこも不安。｣

｢誰でもってわけじゃないよ？｣

｢じゃあ、俺じゃなくて藤ヶ谷さんが、しばらく部屋に置いてって言ってきたら、Aちゃん、どうしてた？｣

そう言って、じっと私を見つめてくる。

でも、その目があんまり真っ直ぐすぎて、思わず目を逸らしてしまった。





｢...わかんないよ、そんなの。｣

｢ほら、そういうとこが心配なんだって。｣

｢でも、健永くんなら一緒に住んだら楽しいのかなーって、思った。｣

ほんとにそう思ったんだよ。

気も合うしね。

「じゃあ、今俺と一緒に住んでて、楽しい？」

「楽しいよ。
だから、健永くんが部屋探しして、出て行っちゃったら嫌だなーって思ってる。」

そう答えたら、健永くんは本当に嬉しそうに笑うから。

健永くんって可愛いな。

こうやって、感情をすぐ表現できる健永くんがうらやましいよ。







その日の夜は、

「Aちゃん、好きだよ、大好き。」

まるで、おやすみの挨拶の代わりみたいに囁かれてから、ベッドに入る。

だけど、私はベッドで健永くんは隣に敷かれたお布団。

「ベッドで一緒に寝るのは、Aちゃんが眠れなくて添い寝が要る時と、
Aちゃんから、今日から同じベッドで寝ていいよ、っていう許可が出てから。」

「じゃあ、毎晩添い寝して。
毎晩、眠れないから。」

って言ったら、

「もう…、困らせないでよ。
そりゃ、Aちゃんがしてほしいなら、毎日添い寝もするよ？
でも俺的には、ちゃんと恋人になってから、そのベッドでAちゃんと寝たいから。」

なんて真剣な口調で返されると、添い寝のおねだりもできないじゃん。

健永くんは、そういうとこ、真面目だな。

「それより、明日からAちゃんの仕事が終わる時間に、迎えに行っていい？」

「いいけど、毎日？」

「そう、毎日。
また、あの嫌な元カレも来るかもしれないし。
藤ヶ谷さんとかも気になるし。」

健永くんって、なかなか重いね。

重くて、真面目で、真剣で、ヤキモチ妬きで、純粋で、天然で、幼稚で、でもしっかりしてて世話好きで。

…私はこれから、こんな健永くんのことを、どうしたらいいんだろ。

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