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「そんなことないよ。」
「だって、俺が来てからAちゃん、掃除機かけてないんじゃない?」
…そうかも。
「俺がずっと掃除してるし。
あと、俺が来るまでろくに自炊もしてなかったんじゃない?」
…当たってるけど。
「俺が来るまで、Aちゃんどんな生活送ってたの?」
「…普通に、生活してたよ?
掃除機もかけてたし。」
「Aちゃん、俺が来てよかったんじゃない?」
なんて大人びた笑顔で、笑いかけられて。
ほんとに、どっちが年上かわかんないね。
ごはんを食べた後も、
「俺が払うから。」
って、伝票を持って健永くんはレジに行っちゃうし。
…なんか、申し訳ないよ。
別にいいのに。
でも、店を出てから、
「ごちそうさま。」
って、お礼を言ったら健永くんは、ありえないくらいの笑顔で、
「どういたしまして。」
って返してくれるから。
健永くんは、そんなに私にご馳走するのがうれしい?
帰り道、不意に、今まで気になって聞けなかったことを聞いてみた。
「健永くんって、部屋探してるの?」
「…え?!」
って、そんなに大きな声で聞き返さなくてもいいじゃん、っていうくらいの声を出すから、聞いた私の方が驚いたし。
「だって、友達に追い出されて部屋探してるんだよね。」
「…まあ、うん。そうだね。」
だけど、健永くんは口籠るだけ。
「そもそも、何で追い出されたの?友達に。」
「友達とシェアして住んでたんだけど、友達が彼女を連れ込むようになってきて。
そのうち、同棲したいって言い出したから。」
「それで追い出されたの?」
「…んー、追い出されたのは大袈裟に言ったかも。
ほんとは、俺の方から気を使って出てきた。」
「そうなんだ。」
「Aちゃんの部屋に住み着く、いいチャンスだと思ったし。」
そう言って、チラリと私の表情を窺い見てくる。
「いつから好きだったの?私のこと。」
「バイトしてた時から。」
「…でもさ、その頃健永くん、彼女いなかった?」
はっきりと「彼女いる」って聞いたことはないけど、何度かバイト終わりに女の子が迎えに来てたのを見たことがあるから。
「…うん。いた。」
また、健永くんの表情が、憂鬱そうになるから。
「聞いちゃいけなかった?」
「いいよ。
Aちゃんには何でも話す。」
「でも、聞いちゃいけなかったこともあるんじゃなかったっけ?」
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わかめ(プロフ) - かぴさん» コメントありがとうございます。千賀担さんに、そう言ってもらえるのが本当に幸せです(*^-^*)もうすぐ終わっちゃうのが残念ですが、千賀くんを書くのが好きになりましたー(*^-^*) (2016年9月5日 22時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - りたさんの書く作品すべて読んでますが、この作品が一番大好きです!千賀担なのですが、むしろこの千賀くんがいちばんきゅんきゅんします!本当に本当に大好きです。これからも応援しています。 (2016年8月30日 0時) (レス) id: 6713246979 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - moemoepiさん» うわー♪そんなこと言っていただけて、ほんとうにありがたいです。私もこの千賀さんは可愛くてカッコよくて、かいてて楽しいです(*^-^*) (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - せんがまり。さん» ありがとうございますー。もうすぐ終わっちゃいますが、最後までよろしくですー。 (2016年8月17日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
moemoepi(プロフ) - TURQUOISEの千賀くんがこのサイトの中で一番好きな千賀くんです!!これからも更新頑張ってください!応援していてます! (2016年8月16日 18時) (レス) id: 5863ad448d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年6月6日 23時