頑なモンブラン

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沖縄から戻ってきてすぐに、新学期になり。

学部も一緒だし、マンションも一緒だから、私達はいつも一緒にいるわけで。

学校でも、付き合ってることバレバレだし。




そして、お互いバイトを始めた。

二階堂くんは、一緒のバイト先にする？って言ってきたけど、

あんまり一緒にいすぎるのもよくないかな、って思って、別々のバイトをすることに。

私はファミレスで、二階堂くんはガソリンスタンド。






バイトを始めて１ヶ月後、しかも、来週は私の誕生日って時に。

二階堂くんがいなくなった。

いなくなった、って言うのは大げさだけど、連絡がつかなくなった。

電話しても繋がらないし、バイト先に行ったら帰ったって言うし。

千賀くんに電話しても知らないっていうし。

部屋に行ったら、帰った形跡もないし。

そのうち、千賀くんも来てくれて、一緒に探したんだけど、どこにもいなくて。






一晩中、二階堂くんの部屋で待ってたけど。

帰って来なかった。

翌日も１日中、連絡がつかなくて、大学でも探してみたけど、来てないし。

その夜も千賀くんと、二階堂くんの行きそうな場所を探してたら、ようやく二階堂くんから電話がかかってきた。

「A、ごめん。」

って、いきなり謝られる。

「二階堂くん、今どこ？」

「…今、病院。
昨日の夜、帰りに事故に遭っちゃって。」





昨日の夜、二階堂くんはバイトの帰りに車にはねられたみたいで。

近所の病院に、救急車で運ばれたんだけど、意識がなかったから、

携帯からすぐに、家族には連絡がいったみたいだけど。

「意識戻ったの、今日になってからなんだ。
無理言って、今電話かけさせもらってる。
心配しないでいーからね。。
足を骨折してるだけだから。」

病院名を聞いて、千賀くんと病院に向かいながら、思った。





あんなに一緒にいるのに、付き合ってるってだけじゃ、こんな時、全然連絡とか来ないんだ。

そう思ったら、死ぬほど不安になった。

病院に着くと、病室には二階堂くんの家族が揃っていて。

私と千賀くんを見て、二階堂くんはベッドの上から手招きしてくれるけど。

家族の手前、あまり話もできず、千賀くんと病室を出てきた。

二階堂くんは、頭にも傷があって、しばらく検査で入院するみたいで。

帰り際、二階堂くんは私を手招きして、

「心配かけてごめんね。
Aの誕生日までには退院するから。」

って言ってくれたけど。

多分、それは無理そう…。

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