頑なモンブラン

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そう言ったら、二階堂くんは黙ってるし。

「…もー。
あんま、そんなこと、さらっと言うなって。」

って、なんか恥ずかしがってるし。

二階堂くんって、可愛い。

「だから、誕生日は二階堂くんに一緒にいてほしい。
日曜日だし、大学も休みだからいい？」

って言ったら、

「いいよ。」

って、緩く手を握ってくれた。





砂浜に座って、なんかいろいろ話した。

大学のこととか、将来のこととか。

「Aは何で、経済学部なわけ？
女子で経済学部って、珍しくない？」

「うーん、社長になりたいから？」

「…つか、社長になりたいなら経営学部じゃない？」

なんか、鼻で笑われてるし。

「経済学部に入ってみたら、女子が少ないからビックリした。」

「知らないかもだけど、Aけっこう、モテてるよ？」

「本当に？
でも、全然ちやほやされないよ？」

「…山下とか藤井とかさ、Aのこと狙ってたんだよね。」

「ほんとに？」

「うん、だから、あいつ彼氏いるよって、言って回ってた。」

なんて、笑いながら言うから、二階堂くんの耳を思いっきり引っ張ってやった。





「痛っ！
何？そんなにモテたかった？」

「他にも何かやった？」

「うちのサークルにA目当てで入ろうとしてきたから、
すげーハードだからやめとけ、って言った。」

「他には？」

「もうないって。」

だいぶ、妨害されてたんだな、私。

でも、そんな二階堂くんが可愛く思える。

同い年なのに、年下みたい。

「…そんなに私のこと好きだったの？」

って、からかうように言ったら、

「そう。」

しれっと、返事してくる二階堂くんはすごい。

だって、いつも二階堂くんは、

『好き』

って言葉をいっぱいくれる。

前の彼氏とか、全然言ってくれなかったよ？

だから、私も言ってあげるね。

「二階堂くん、好きだよ。」

そう言ったら、ちょっと驚いてたけど、いつもみたいに笑ってくれた。





沖縄で過ごす最後の夜は、やっぱりなんか盛り上がって、２人とも変にテンション高くなっちゃって、朝方までずっと、ベッドで話してた。

何もせずに。

沖縄に来てから、毎日してたから、しない日は今日が初めて。

でも、なんか満ち足りてて。

この何週間かで、２人の距離はすごく近くなって、お互いにもっと好きになったような気がする。

でも、

「今日はしないの？」

って聞いたら、

「もうあれ、なくなったんだって。
だいぶ余分に持ってきてたのに。」

って、笑ってた。

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