頑なモンブラン

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すぐに二階堂くんも追いかけてきてくれるけど、それから逃げるように泳いでると。

あっけなく後ろから捕まえられた。

「もう、部屋に戻ろうよ。
また明日も泳げるじゃん。」

「明日は、ビーチに行きたいもん。」

後ろから、ぎゅーって、ハグされて、

「もう暗いから部屋に帰ろう。」

って言われて、仕方なく部屋に戻った。





「お腹すいたよー。」

って、部屋にあるホテルのレストランガイドを見てみるけど…、

あまりの高さに、２人とも無言になる。

「ホテルの近くにコンビニあったよ。」

って、手を繋いで、コンビニまでの道を歩いて行く。

「なんかさー、毎日コンビニじゃなかった？沖縄に来てから。
A、料理するって言ってたのにさー、全然してくれないし。」

とか言われる。

「だって、近くにスーパーとかなかったし。
お互い疲れてたんだから仕方ないじゃん。」

繋いだ手が熱い。

９月だけど、沖縄はやっぱり夜も暑いし、更衣室でシャワー浴びてきたけど、もう汗かいてるし。







「ずっと、こうやって歩きたい、Aと。」

いきなり二階堂くんが言うから、

「どうしたの？」

って、目を合わせる。

「なんか、すげー幸せだから。
俺、外で手を繋ぐのとか、あんま好きじゃないんだけど。
Aとなら平気なんだよね。
ま、Aは手、繋いどかないと、どっか行っちゃいそうだからかもしれないけど。」

とか言われるから、繋いだ手をぎゅーーーって、力を込めて握る。

「痛っ！
せっかく、いい話してんのに。」

「…どこも行かないよ。」

「わかんないって、Aは。
なんか捕まえとかないと、どっか行っちゃいそうなイメージ。」

私って、そんな風に思われてたんだ。






「だからさー…。
まだ先のことだけど、大学卒業したら、結婚しよ？」

いきなりの言葉に、私は立ち止まってしまう。

「まだ卒業まで４年あるけど、俺、本気だから。」

「…４年後なんて、わかんないじゃん。
二階堂くん、他の人、好きになってるかも。」

「ならないって。
俺、けっこう一途なタイプだと思うよ。
前の彼女とだって、４年付き合ったし。」

過去の恋愛の話するな、って、二階堂くんの方が言ってたのに。

いきなりここで、元カノの話とか出す？

「その子にフラれなかったら、まだその子と付き合ってた？」

「…かもね。」

って、そんな話を聞いて、複雑な気持ちになる。

これじゃあ、素直に、「いいよ。」なんて言えないよ。

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