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「早く!」
って、更に手を差し出されるけど、やっぱり掴めない。
というか、立ち上がれない。
手も痛いし、足も痛いし(/ω\)
「もしかして、足も怪我した?」
って、二階堂くんは私を後ろから抱きかかえるようにして、立たせてくれた。
短パン履いてたから、膝も擦り剥けて、血が流れてる。
「歩ける?」
さっきの不機嫌モードは、どこにいったのかというくらい、心配げな優しい口調。
「…大丈夫。」
ガードレールにもたれるように立って、リュックからティッシュを取り出すと、
二階堂くんがティッシュを奪うように取って、私の傷口を拭いてくれた。
「戻ろう。」
って、二階堂くんに言われるけど、私はプルプルと首を振る。
「何で?」
「あそこには帰りたくない。」
「じゃあ、歩いて帰るの?」
「そう。」
「バカじゃね?お前。」
「日が暮れるまでに下りたいから、行くね。」
って、二階堂くんに手を振って、また、山道を下り始めた。
足が痛いけど、気合でなんとかなりそう。
それより、なにより、ここから逃げ出したい気持ちでいっぱいなんだ。
もう、二階堂くんの足音はついてこない。
明日、サークルを辞める連絡を入れよう。
それにしても、なんで二階堂くんがいたんだろ?
意味わかんないんだけど。
って、振り返ってみると、
15mくらい離れたところから、やっぱり二階堂くんがついてきてる。
何で!?!?
自然と速足になる。
何でついてくるの!?
本当は走り出したいけど、足が痛くて走れない。
数mくらい先のところに、カーブがあって、その脇に大きな木があるから、そこに隠れてみることにした。
速足で木の陰に隠れる。
しばらくして、二階堂くんがやってくるけど、私がいないのに気付いて、キョロキョロ。
おもしろーい。
でも、木の存在に気づき、あっさり見つかってしまう。
「何やってんの、お前。」
呆れ顔の二階堂くん。
「だって、二階堂くんがついてくるから。」
「怪我してる子、歩いて帰すのなんて心配だからだろ?」
「こっそり、ついてこなくてもいいじゃん。」
「ついてきてんのに気づかれたら、お前走って逃げるからさー。
また怪我でもしたら…。」
って、それきり黙ってしまう二階堂くん。
「もーいいや。とりあえず、下りよう、山。」
って、先に歩いて行っちゃう。
後をついて行く私に向かって、手を差し出す。
「ん!」
な、何?
「リュック!持つわ。」
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わかめ(プロフ) - ニャンちゅう☆★さん» 読んでいただいて、ありがとうございます(*^-^*)やばいって、最高級の誉め言葉ですよね(*^-^*) (2016年9月19日 0時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンちゅう☆★(プロフ) - きゃーニカちゃんやばい(/////) (2016年9月18日 17時) (レス) id: 087289424a (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - mamiさん» そうなんです、あの台風の夜なんですよ。気付いてくれてありがとうです(*'ω'*)あっちこっち同時進行でご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2015年10月16日 13時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
mami(プロフ) - ニカ可愛すぎ(^^♪ 玉ちゃんたちが部室で過ごしたあの夜のことですよね。。こっちでは、こんなことが(笑)リンクしてるお話がどれもステキで、あっちこっちの続きが気になりすぎますww更新楽しみにしてます! (2015年10月16日 10時) (レス) id: ebe7ab8317 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - おすぎさん» なんか、ありがちニカちゃんかなー、って思ってww笑ってもらえてよかったです(/ω\) (2015年10月8日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 17時