頑なモンブラン

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結局、その日は朝まで、２人は大騒ぎしてて。

朝方、電池が切れたみたいに、ソファーや床で寝ちゃった。

部屋に帰ろうかなー、って思ったけど、ベッドが空いてたから、二階堂くんのベッドで寝ちゃうことにした。

目が覚めた時は、もう昼前で、台風はどこかに行った後だった。

２人はまだ寝てるみたい。

ベッドから起き上がったら、同じようにソファーから起き上がってきた二階堂くんと目が合う。

子どもみたいな笑顔で、小声で、

「千賀、まだ寝てるね。」

って、ラグの上で爆睡してる千賀くんを指さしてる。






「そっち行っていい？」

って、そーっと千賀くんを起こさないように、二階堂くんがこっちまで歩いてくる。

ベッドで並んで座ると、

「もっとこっち来て。」

って言われるから、二階堂くんの方に移動するけど、

「もっと。」

って、腰を引き寄せられる。






「何？」

二階堂くんの顔を覗き込む。

「ん？なんか、くっつきたかったから。」

なんて、可愛いこと言うから、なんか恥ずかしくなる。

こういうこと、サラッと言える、二階堂くんってすごいな。

「夏休みさー、あと、１ヶ月以上あるじゃん？
Aはどうすんの？
バイトとか？
それとも帰省する？」

「運転免許、取りに行こうと思って。
…沖縄に。」

って言ったら、びっくりして、こっちに向き直る二階堂くん。

「は？それ、どういうこと？」

「合宿免許って、２週間から３週間くらいで取れるんだって、免許。」

「そうじゃなくて、何でわざわざ沖縄？」

「だってー。
沖縄楽しそうだもん。
親も免許なら、お金出してくれるって言うから、８月末くらいから行こうかなー、って。」




途端、難しい顔をし始める二階堂くん。

「ちょっと待ってて。」

って、パソコンの前に座っちゃって、あれこれ調べてて、なんか考え込んでる。

どこかにメールしたり、また調べたり。

しばらくそうやってるうちに、千賀くんも起きてくる。

「あれ…、ニカどうしちゃったの？」

って、必死で調べものをしてる二階堂くんを眺めてる。





千賀くんも起きたから、朝ごはんを作るけど。

二階堂くんはまだ、パソコンの前。

「先に食べるよー。」

って言っても、返事もない。

「ニカってさー、いつもこうだよ。
何かに夢中になっちゃうと、そればっかになるから。」

千賀くんも呆れてる。






「A、８月２５日からってどう？」

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