頑なモンブラン

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「こっち来て。」

って、先にベッドに寝転んでる二階堂くんの腕の中に招き入れられる。

なんか、暗いし緊張してたら、

「何？何かされると思った？
Aやらしーw」

ってからかわれる。

「しないよ、今日は。
なんか、話しよ？
俺、Aのこと、いろいろ教えて。
Aも聞きたいこと聞いてよ。」

真っ暗な部屋の中。

聞こえるのは、激しい雨音と、時々鳴る雷音と、微かに聞こえるエアコンの音だけ。

「じゃあ、俺から聞くね。
Aは彼氏いた？
今まで。」

「え…。」

いきなり、ぶっこんでくるよね？

「…いた。」

「いつ？」

「高校生の時。」

「どんな人？」

二階堂くんの質問は止まらない。





「先輩。
高１の時、２個上だった。」

「どっちから告ったの？」

…って、まるで尋問じゃん!!

「もー、いいじゃん。
二階堂くんのことも教えてよ。」

「とりあえず、Aの話聞いてからね。
で、どっちから告ったの？」

「…先輩から？」

「告られた時はもう、好きだった？」

「…うん。」

「どれだけ付き合ったの？」

「…１年くらい。」

「何で別れたの？」

「先輩にほかに好きな人ができたから。」






それ聞いて、しばらく黙ってたけど、

いきなり、

「その人と、した？」

って聞いてくるから、びっくりして、

「そんなこと聞いてどうすんの？」

って言ったら、しれっと、

「だって、知りたいから。」

とか言ってくる。

私が黙ってると、

「してるよね、そりゃ。」

って、髪をくしゃくしゃってされる。

「じゃあ、二階堂くんは？
彼女いた？」

「いたよ。」

「どんな人？」

「小学校からの幼なじみ。
中学から高校まで、４年ほど付き合ってた。」

二階堂くんは、普通に話してくるけど、

４年って、すごくない？

しかも、中学からなんて。

私が次の質問をしないでいると、勝手にしゃべり続ける。

「４年付き合って、高２の冬に別れた。
彼女が、俺といるのに疲れたって言いだして。
理由も言わないし。
そしたら、高３になってすぐ、他の高校のヤツと付き合い始めて、終わり。」





「それで終わり？」

「終わり。
あ、ついでに。
してるから、その子と。」

って、笑ってる。

「したとかしてないとか、関係なくない？」

「そう？
俺的にはけっこう気になるかも。
なんか、昨日Aとした時に、『初めてじゃなさそう』って思ったから。
一応、確認しとこうかなー、っと思って。」

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