頑なモンブラン

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「傷、痛い？」

って、私の上で、心配そうな二階堂くんの顔。

「…大丈夫。」

そして、長くて甘いキスをされる。

キスの間中、やっぱり私は、二階堂くんが好きなんだな、って思ってた。

二階堂くんなら、何されても嫌じゃない。

嫌いになれないよ。






「２０℃でよかったでしょ？」

って、頭を撫でられる。

二階堂くん、してる途中で、一回１８℃にしてたもんね。

私は、意識朦朧って感じで、すぐにも寝ちゃいそうな感じで、

二階堂くんの腕の中。

「なんか、する前より、Aとの距離、すげー近くなったような気がする。
だからさ、いっぱいしよ？」

もう、いっぱいしたじゃん…。

って、言いたいけど、眠くて言えない。

でも本当に、二階堂くんとの距離は近くなったし。

もっと大好きになった。






昼前に、すごい勢いでたたき起こされる。

「A、台風来るって！
やばいよ、食料買いだめしとかないと！」

って、スーパーに連行される。

あんまりカートにポイポイ入れられるから、

「買いすぎだよ！
台風なんて、一日で過ぎちゃうのに。」

って怒る。

「もし停電したら？」

「その時は、冷蔵庫も止まるから、こんなに買っても腐っちゃうよ。」

って言ったら、渋々、返しに行ってる。

なんかやっぱり、二階堂くんって、子供っぽい。

「俺ら、昨日も何も食べてないよね？」

「お腹空いた？」

「全然。」

「私も。」

「Aのこと、いっぱい食べたからお腹いっぱい。」

って、小声で耳打ちされて、顔が熱くなる。

「A、顔赤いよ。」

って、からかってくる二階堂くんは、本当に子供みたい。




スーパーの外に出ると、もう外はすごい風で。

雨は降ってないけど、飛ばされちゃいそうな勢い。

「すげー風！」

とか言いながら、楽しそうにしてるから、

「もしかして、台風好き？」

って聞いてみたら、

「わかる？
テンション上がらない？」

だって。

不謹慎だよ。





「サンドイッチが食べたい」

って言うから、今日は私の部屋に戻る。

作ってる間に、二階堂くんは、お泊まりセットと、DVDやトランプを持ってきてる。

出来上がったサンドイッチを食べてる二階堂くんに聞いてみる。

「おいしい？」

「うん、想像してたよりおいしい。」

とか、言われる。

「どういう意味？」

「Aって、料理できないと思ってたから。
想像してたより、全然おいしいじゃん。」

…二階堂くん、言葉のチョイス間違ってるよ。

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