頑なモンブラン

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「何か飲む？」

って、二階堂くんはキッチンでホットミルクを作ってくれた。

キッチンのテーブルに移動して、２人で座って飲むけど、

なんか、微妙な雰囲気。

変な緊張感と焦燥感で、なんか逃げ出したくなる。

やっぱり帰る、なんて言いだしたら、二階堂くんまた傷つくんだろうなと思うと、できない。





この微妙な雰囲気を壊したくて、私がやったことは…。

マグカップに半分ほど入ってたホットミルクを、床にぶちまけることだった。

「ちょ…！何してんの！」

って、慌てて、床を拭き始める二階堂くん。

私の服もミルクで濡れてるし、壁や椅子にも飛び散ってる。

はい、怒った。

これで、自分の部屋に帰れる。

もう、二階堂くんは二度と私を自分の部屋に入れないだろう。

自分でも、バカなことしてるって、思ってる。

でも、これしか、思いつかなかった。






なのに、二階堂くんは、ミルクで汚れた服のままの私を、抱えるようにして抱きしめた。

「何？こんなことして、俺が怒るか試したかったの？
俺のこと子供っぽいってAは言うけどさ、Aの方が幼稚じゃない？」

背中をポンポンしながら、

「怒らないよ、こんなことで。
Aが帰っちゃうことの方が、絶対嫌だから。
だから、掃除、手伝って。」

って言うから、また泣いてしまう。

ここんとこ、私、ずっと泣いてる。

かなり情緒不安定。

…全部、二階堂くんのせいだよ。






２人で、床とか壁とかを綺麗に掃除して、

「服、着替えないと。
つか、お風呂入って。」

って、私の服を脱がそうとするから、

「自分でできるよ。」

とりあえず、自分でパーカーを脱ぐ。

「自分の部屋でお風呂に入って来る。」

出て行こうとしたら、また引き留められる。

「ここで入って行けばいーじゃん。」

「着替えがないもん。」

「じゃあ、俺が取りに行く。」

「嫌だよ。
勝手にクローゼット開けてほしくない。」

「…じゃあ、ついていく。」






今日、二階堂くんと私の部屋、何往復した？

なんか２人でいっぱい行き来したね。

着替えをトートバックに入れると、玄関で待ってくれてる二階堂くんの元へ。

すぐに、捕まえられるように手が繋がれて、５階へ連行される。

「先、お風呂入って。」

ってタオルを渡されるから、

「自分の、持ってきたよ。」

と、トートバックから出そうとするけど、

「いいから。」

って、押し付けられて、バスルームに押し込められる。

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