頑なモンブラン

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びっくりして、慌てて、それをクローゼットに閉まっちゃう。

「二階堂くん、やるなー。」

って、何故か感心してる桃ちゃん。

もう顔から火が出るほど恥ずかしいんだけど。




桃ちゃんは明日の朝、実家に帰るらしく。

親が厳しくて１カ月も、実家にいないといけないらしい。

「サークル辞めないで。」

って、何度も言われたけど、やっぱり、戻る気にはなれない私がいて。

桃ちゃんが帰ったあと、二階堂くんにLINEしようかな、と思ったけど、

なんか急に思いついて、二階堂くんの家に行ってみることにした。

…でも、部屋番号わかんないし!!







５階まで階段で上がって、端からドアの表札を見て回る。

表札を出していない家がほとんどなんだけど、二階堂くんの部屋はすぐわかった。

玄関のドアの脇に、いつも乗ってるマウンテンバイクがあったから。

ドアベルを鳴らすと、いきなり、二階堂くんが出てくる。

「遊びに来ちゃった。」

って言うと、

「桃ちゃんは？」

ってキョロキョロしてる。

「もう帰ったよ。」

って言ったら、ホッとしてる。

「あんまり家に人呼びたくないんだよね。」

なんて言われるから、玄関で立ち尽くしてしまう。

「…私も入らない方がいい？」

「Aはいいよ。」

私の部屋にはズカズカ入って来るくせに、自分の家には呼びたくないなんて、ちょっと変じゃない？






二階堂くんの部屋は、すごくシンプルで、余計な物は何もない。

それでいて、とても綺麗な部屋だった。

でもなんか…、居心地悪い。

だって、二階堂くんうるさいんだもん。

「ベッドに座らないで。」

とか、

「勝手に触っちゃダメ。」

とか、あんまりうるさいから、

「もう帰る。」

って、自分の部屋に戻った。

二階堂くんって…、潔癖症なのかな。

なんか…、悲しくなった。

二階堂くん、私が帰るって言っても止めなかったし。

…なんか、思ってたのと違う。

二階堂くんって、小難しくて、扱いにくい。






二階堂くんがあんまりうるさいから、玄関の鍵もきちんと閉めて、家に籠った。

でも、家に何も食べるものがないから、買い物に行きたいけど、包帯グルグル巻きだし。

そうだ、包帯取っちゃえ！

両手両足に分厚く巻かれた包帯を解く。

傷が露わになっちゃったけど、この方がまだいい。

買物に行こうと、部屋を出たら、エレベーターの方から、二階堂くんが歩いてくるのが見えた。

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