頑なモンブラン

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「え？え？何？」

私がテンパってると、

「昨日のこと、謝りたくて。
Aちゃん、何も食べてなくて、１人で仕事させちゃって。
本当にごめん！！」

深々と頭を下げられて、

「お願いだから、頭上げてよー。」

そう言ったら、ようやく頭を上げてくれたけど。

私の両手足が、包帯グルグル巻きなのに気づいて、

「どうしたの？その包帯。」

って、目を丸くしてる桃ちゃん。

「あ、ちょっと怪我しただけ。
大げさに巻かれてるだけだから、気にしないで。」

「もしかして、帰りに転んで怪我したって、それ？」

「ただの擦り傷なんだよー。」





とりあえず、ソファーに座ってもらって、お茶を入れる。

なんかもう、桃ちゃんの瞳は、涙でウルウルしちゃってるし。

逆に申し訳ない気持ちになって来る。

「さっきさ、藤ヶ谷先輩から電話があって。
Aちゃんと二階堂くんサークルやめるって…。」

なんで、藤ヶ谷先輩？

もしかして、二階堂くん、朝から藤ヶ谷先輩に会いに行ってたの？

「ほんと、ごめんね。
私、浮かれてたんだなー、って。
周りを見る余裕がなかったなって、反省してる。
だから、辞めるなんて言わないで。」

「別に、桃ちゃんに腹立てて、サークル辞めるわけじゃないよ。
なんかもう、サークル自体が嫌になっちゃったから。
だから、桃ちゃんは気にしないで。」





そんな話をしていたら、玄関が開いて、

「ただいまー。」

って、二階堂くんの声。

玄関からは部屋の様子は見えないから、二階堂くんは鍵かけたり、靴脱ぎながら、１人でしゃべってる。

「玄関、また鍵開いてんじゃん。」

「買い物してきたよ。」

って、コンビニのレジ袋を持って、ようやく、部屋に顔をのぞかせた。

だけど、桃ちゃんが部屋にいるのにびっくりして、慌ててレジ袋を背中に隠してる。





「え？…なんで桃ちゃん？」

桃ちゃんもびっくりして、

「２人、付き合ってたの？」

って、驚いてる。

二階堂くんは、レジ袋を、そっと隠すようにキッチンに置くと、

「部屋に戻ってるわ。」

って、逃げるように部屋を出ていく。

「優しいね、二階堂くん。
Aにお土産買ってきてくれてんじゃん。」

「何が入ってるんだろ。」

って、２人でレジ袋を覗いてみる。

そこには、可愛らしいパッケージの箱があって。

「お菓子？」

って、２人でいじくりまわしてたら、それは避妊具の箱だってことがわかり、

２人で驚愕！

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