頑なモンブラン

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…まただ。

どうしても、二階堂くんを目で追っちゃう。

で、たまに目が合う。

すぐにそらされる。

傷つく。

この繰り返し。



二階堂くんとは、同じ大学の同じサークルの、ついでに同じ学部。

本当に偶然なんだけど。

いつも、千賀くんと一緒にいて、ムードメーカー。

同じサークルには、１年生は４人。

女子は私と桃ちゃん。

男子は二階堂くんと千賀くん。

４人で仲良くやってる…んだけど。




どうも、私は二階堂くんには嫌われてるみたい。

なんでだかわかんないけど、私にだけ、なんかよそよそしい。

「おはよう!」

って朝、挨拶しても、

「あ…、おはよー。」

って、なんかいつもより全然テンション低い感じで、返ってくる。

その後、桃ちゃんが、

「おはよう、ニカちゃん。」

って声かけたら、信じられないくらいの笑顔で、

「おはよー、桃ちゃん。」

って返すんだ。

これはもう…。

完全、嫌われてるフラグが立ってるって感じ。

だから自然に、私は二階堂くんに話しかけなくなった。

でも好きなんだ。

二階堂くんのこと。






私が二階堂くんを好きになったのは、サークルに入ってすぐのボランティア活動でのこと。

それは、近所の川のゴミ拾いのボランティアだった。

１年生４人で、ゴミ拾いしてたんだけど。

すごい、カッコよかったんだー。

重いゴミも楽々運んでくれるし、みんなが疲れてきても、盛り上げてくれるし。

それに、私が岩に足を取られてこけそうになった時、すぐに助けてくれたこと。

私には、二階堂くんが王子様に見えたんだよ。







今日は８月に行われるバーベキュー大会の、ミーティング。

１年生は主に雑用。

各自持っていくものや、役割分担なんかを決める。

やっぱ、二階堂くんを見ちゃう。

で、目が合う。

そらされる。

ほら、また。

もう、見るのやめよう、って思うんだけど。

体は正直で、やっぱり見ちゃう。






バーベキュー、実はちょっと憂鬱。

１年生の役割が多いのと、サークルには１年生くらいしか、知り合いはいないし。

大丈夫かなあ…、って不安がいっぱい。

桃ちゃんは、サークルに入ってすぐに、２年生の藤ヶ谷先輩と付き合い始めたし。

二階堂くん達も、２年生の女子の先輩に可愛がられてる。

きっと、バーベキューに行っても、１人ぼっちになっていまう可能性大。

なんで、このサークル入ったんだろ。

新歓コンパには、たくさんの１年生女子が来てたのに、何故か入会したのは４人だけ。

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