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「A、話して。
全部。
思ってること。」

って、優しく話しかけられるけど、私は首を振るだけ。

「じゃあ、俺の話していい?」

ベッドの脇に二人で座って、としくんの左手が、私の右手に重なる。

としくんは前を向いたまま、ゆっくりと話し始めた。

「Aが何を考えてるのかなー、って俺なりに考えてみたんだ。
今朝、一緒に寝ちゃったこととか。
抱きしめちゃったこととか。
Aは嫌だったんだろうなー、って。
…違う?」

「…違うよ。」

「え?違うの?」

って、ようやくこっちを見てくれるとしくん。

「全然違う。」

としくんがこっちを見るから、今度は私がそっぽを向く。

「嫌じゃなかったの?」

「…うん。」

「ええー!?じゃあ、一体何で泣いてるの?
全然わかんないんだけど。」

って、そのままベッドに後ろ向きに倒れ込んじゃうとしくん。




「もー…、Aの考えてること、全然わかんないよー。」

って、一人言みたいに言うから、

「私だって、としくんの考えてること、全然わかんないよ。」

って言ってしまう。

私の言葉に、ゆっくり起きてくるとしくん。

「やっぱり、俺のことで泣いてたんじゃん。」

って、頭をなでなでされる。

「言って。
怒らないから。」

「さっき怒ったじゃん。」

「それはAが何も言わないからでしょ?」

「だって…。」





「じゃあさー、俺あっち向いてるから、言って。」

って、ベッドの上で壁際を向いて座るとしくん。

言ったらどうなる?

もしかして、私たちの関係、壊れたりしない?

「何言っても、俺、Aのこと嫌いになったらしないからね。」

って、優しく言われて、話してみようかな、っていう気持ちになった。

「としくん、何で私を一人で置いて、どっかに行っちゃったの?」

と言うと、

「食べるもん何もないから、買いに行ってただけだよ?」

って、優しい声が聞こえる。

「起きたら一人だったから、なんか…。」

「ごめんね、一人にして…。」




「としくんいないから、一人で買い物に行ったんだ。
そしたら、コンビニの前でとしくんが、女の子と話してた。」

「え?Aいたの!?」

いきなりこっちを振り返ろうとするから、

「こっち向いちゃだめ!!」

って、強めに言ったら、また体勢を体勢を基に戻すとしくん。

「すごい楽しそうだったから、そのまま帰ってきた…。」

「それから?」

「…それだけ。」

「え?それだけのことで、A泣いてたの?」

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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時

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