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その日は無理矢理休ませて、実行委員会のグループLINEで連絡を入れる。

[だいぶ無理してたと思うから、ゆっくり休ませてあげて]

って、みんなから優しいメッセージが届いて、それをとしくんに見せてあげる。

「みんな休んでいいよって言ってるよ?
だから、午前中に病院行こう?」

そう言ったら、

「1人で行くから、Aは学校行きなよ。」

とか言ってくるし。

こんな時でも、人の心配?

「行かないよ。
一緒に病院に行く。」

渋るとしくんを無理矢理、病院に連行する。

診断名は、風邪。

疲労で免疫力が下がってるかららしい。





としくんを寝かせて、おかゆを食べさせて薬を飲ませてから、午後から私は学校へ。

さっきまで学校に行けって言ってたのに、

「A、もう今日は休めば?
学祭の片付け、大変だよ?」

とか言ってくる。

だから行くんじゃん。

私がとしくんの代わりに、もっと働いて来ないとね。

「行ってくるね。」

ベッドに横たわっているとしくんに、挨拶をしたら、その袖口をぐっと掴まれた。






「行くなって。」

驚いて、ベッドの脇に座り込んで、としくんの顔を覗き込む。

「としくん?」

「今日は、行かなくていいから!」

いつものとしくんからは、考えられないくらいの強い言い方で、私の袖口を掴んだまま離さない。

「どうしたの?としくん。」

覗き込んだ瞳は,いつもと違って真剣な眼差しで、

「Aは今日はここにいて。
どうせAのことだから、俺の分まで働くとか言って、無理しそうだから。
Aだって疲れてるんだから、今日は一緒に寝とこう。」

としくんはそう言って、ベッドの場所を開けてくれる。








「Aが無理すんの、目に見えてるから。
心配で仕方ないじゃん。
今日は俺、熱でここから動けないし。
それなら、俺の目の届く所に置いといて、監視しときたい。」

珍しく、としくんの口調が厳しいから、黙って言うことを聞くことにする。

「わかったよ。」

部屋着に着替えてきて、ベッドのとしくんの隣に潜り込むと、携帯でグループLINEを開く。

[今日は私も休ませてください]って、送ろうとしたのに、

[今日はAちゃんも休んで。
宮田の看病してやって。]

っていう、玉森先輩からのメッセージが入ってて、なんかウルッときた。

「今日はずっと一緒に寝ようね。」

そう言ったら、としくんはベッドの中の私の手を握って、安心したように、そのまま寝息をたて始めた。

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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時

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