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「コンビニに行ってくる。」
そう言って、立ち上がろうとしたら、
「だめ。」
って、腕を強く引かれた。
私の腕を掴むとしくんの手のひらはとても熱くて、やっぱりほっとけないよ。
「水分補給しないといけないし、冷えピタとか買ってきたいから。」
そう言っても、としくんは腕を離してくれない。
「Aが行くなら、俺もついていくよ?
こんな夜中に危ないじゃん。」
そう言って、起き上がろうとするから、
「…わかった。
じゃあ、マンションの前の自販機に行くだけにする。
それならいい?」
としくんをまたベッドに寝かせて、部屋を出た。
十月の夜は半袖では寒いくらいで、この気温差と疲労で風邪ひいちゃったのかも。
マンション前の自販機で、スポーツドリンクを何本も買って、また部屋に戻る。
今日は、このまま、としくんを看病しようって思ったけど。
何したらいい?
水分補給させなきゃいけないのに、としくんは寝ちゃってるし。
とりあえず、自分の部屋でシャワーを済ませて、部屋着に着替えてとしくんの部屋に戻る。
おでこに乗せたタオルを新しいタオルに変えたら、
「…A?」
ってとしくんが、目を覚ます。
「ごめん、起こした?」
「ううん、大丈夫。
それより、Aも寝て。」
そう言って、奥に詰めて、ベッドのスペースを空けてくれる。
言われたとおりにベッドに入ると、腕に触れたとしくんの体がとても熱くて、とても隣でゆっくりなんて寝てられないよ。
いつもなら部屋を真っ暗にして寝てるけど、今日は薄明りにした。
仰向けに寝てるとしくんの隣で横向きになって、じっと、としくんの様子を窺ってる。
多分今の私は、傍から見ると、かなりの変質者っぷり。
だって、心配なんだもん。
としくんが熱出すのなんて、初めてだし。
結局、朝までほとんど寝付けなかった。
熱のせいか、何度も目を覚ますとしくんに、スポーツドリンクを飲ませたり、着替えさせたり。
「A、寝てないんじゃない?
寝なって。」
自分も体が辛いのに、私の心配ばかりしてくる。
朝になって、少しは熱が下がってはいたけど、
「今日は片付けがあるから行かないと。」
って起き上がろうとするのを、必死で止める。
「今日は休まないと、としくんと結婚なんてしない!」
何で自分でもそんなことを言ったのかわかんないけど、どうしてもとしくんを行かせたくなかった。
私が止めないと、としくんは優しすぎるから絶対無理しちゃうし。
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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時