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「A、本当にありがとね。
うちの親とも仲良くしてくれて。
多分、うちの親はAから相談してもらって、すごくうれしいんだと思う。」
「うん、うれしいって言ってたよ、お母さん。」
としくんは、ずっと笑顔で頭を撫でてくれて、
「ありがとう。」
って、何度も言ってくれるから。
逆に不安になるよ。
大丈夫?
私にも気を使ってない?
としくんは、いろんな人に気を使うから疲れるんだよ。
言い争いとかが苦手だから、実行委員会でも、誰かがモメたりしてるのを見ると、すぐ止めに入って何時間でも話し合うし。
例えば、凜ちゃんが倒れたことでも、自分のことのように心を痛める。
優しすぎるんだよ、としくんは。
でも、そこがとしくんのいいところだから、私は何も言わないけど。
食事の時間まで、川でまったり遊んで、大広間へご飯を食べに行く。
お父さんとお母さんと4人で仲良く食べてたら、仲居さんに、
「ご家族ですか?」
って聞かれて、上機嫌のお母さんが、
「息子の彼女です。」
って私のことを紹介して、仲居さんを驚かせた。
やっぱり、息子の彼女を連れて旅行に来るなんて、珍しいのかな。
食事がデザートにさしかかった頃、としくんが急に改まって、こんなことを言いだした。
「あのさ、ちょっと話があるんだけど、聞いてもらっていいかな。」
って、神妙な顔して。
お父さんお母さんは、としくんのそんなかしこまった雰囲気に、思わず正座をし直す。
「大学を卒業したらさ、Aと結婚したいと思ってるんだけど。
その前に、就職もしないといけないし。
Aが卒業するまで、待ってもいいし。
俺が就職して、すぐでもいいって思ってる。」
そう言ったら、お父さんもお母さんも顔を見合わせて。
「2人がそう決めたんなら、いいんじゃない?」
「てっきりもう結婚するもんだと思ってた。」
なんて、2人とも笑ってるから、なんだかとしくんも肩すかしを食らったみたいな感じで、
「え?改めて言わなくてよかった?」
って、ぽかんとしてる。
「結婚は、あなた達のいいタイミングでしたらいいよ。
でも、Aちゃんの親御さんには、一度会っておきたいんだけど、帰国することがあったら会えないかな?」
お母さんにそう言われて、とてもうれしいんだけど、内心複雑。
だって、うちのお母さんには、としくんという彼氏がいることも、ましてや結婚の話になってることも、何も言ってないから。
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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時