検索窓
今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:214,103 hit

41 ページ41

「綺麗だね。」

そう言ったら、

「また、来年もAと見たいな。」

って、としくんが言うから。

そのまま目が合って、なんかお互い、照れ笑いしちゃった。

今まで見た花火の中で一番綺麗。

多分、としくんと一緒に見てるからだよね?





「そろそろ戻る?
玉と交代してやらないと。」

2人で立ち上がって、大学へ戻る途中、後ろから花火の音が聞こえて、何度も振り返る。

そんな私に気づいたとしくんは、

「また来年、連れてくるね。
今度は最初から最後までいて、浴衣着て、屋台でいろいろ買って食べよ。」

って優しく頭を撫でてくれた。





大学に戻ったら、部室の鍵が閉まってて、としくんが玉森先輩に電話をかけたら、

すぐに2人が戻ってきて、深夜まで一緒に仕事を手伝ってくれた。

帰り道、終電に間に合わなくて、1時間近く歩いて帰る。

「A、疲れてない?
ごめんね、付き合わせて。」

こんな時でも、私の心配をしてるから、

「としくんだって、疲れてるのに。
私なんか全然だよ。
明日は日曜日だから、お昼まで寝ちゃおう。」

そう言ったら、優しく笑いかけてくれるだけ。

としくん、本当に大丈夫?

体力的にもそうだけど、精神的にもだいぶ疲れちゃってない?






部屋に帰って、シャワーを浴びたら、すぐにベッドに潜り込む。

もう、としくんは夢の中。

あんまりぐっすり寝てるから、思わずその髪を撫でてみた。

なんとか、としくんを楽にしてあげる方法ってないのかな。

とりあえず明日は休みだから、としくんの好きなもの作ってあげて、マッサージしてあげて、一日ゆっくりしてもらおう。






1人で早起きして、スーパーで買い物して帰ってきても、まだとしくんは夢の中。

ほんとに疲れてるんだな。

なんか、泣きそうになるよ。

としくんの部屋を掃除して、洗濯して、晩ごはんの準備をしてたら、

いつの間にかとしくんが部屋に入って来てて、キッチンにいる私の後ろから緩くハグしてくれる。

「おはよ、A。
いつから起きてたの?」

私の肩に顎を置いて、珍しく甘えてる感じのとしくん。

「ちょっと前だよ。
朝ごはん作るね。」

「もう昼ごはんだし。」

そっか、もうお昼過ぎてるもんね。






2人でお昼ごはんを食べて、洗い物したり、シーツの洗濯とかしてたら、

「A、ちょっとこっちおいで。」

って、呼ばれる。

「ここに座って。」

としくんはベッドの端に座ってて、私を手招きしてる。

42→←40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (266 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
695人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。