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あれから、本当にとしくんは保護者として卒業式にも来てくれた。
「Aの制服姿見るのも、今日が最後かー。」
って、卒業式からの帰り道、手をつないで歩く。
「それより、としくんのスーツ姿、初めて見た。」
「あ、これ？
Aの卒業式と入学式用に買った。
就活にも使えるし。」
「就活っていつから？」
「今年は、３月にならないと動けないし、試験は４年の夏かららしいよ。」
そっか…。
来年からは、としくんも忙しくなっちゃうんだね。
「じゃあ、今年１年はずっと一緒にいられる？」
「うん。
あ、Aも学祭実行委員会、入ってくれるよね？
そしたら、ずっと一緒にいられるけど？」
「入る！」
なんだか、嬉しくて仕方ない。
これからずっと一緒だもん。
長い春休みが始まって、毎日、としくんと過ごしてる。
一緒に起きて、一緒にごはん食べて、くっついてゲームしたりテレビ見たり、
手をつないで買い物にも行くし、
お風呂もたまに一緒に入ったりしてるし、毎日してる。
まだ現実的な結婚生活には程遠い、おままごとみたいな生活だけど。
毎日、幸せで仕方ない。
春休み中、としくんは週に何回かだけ、夜にバイトに行くから。
その間だけが１人になる時間。
それ以外はずっと一緒にいる。
としくんが、私の入学式のスーツを買いに行こうというので、一緒に買いに来たんだけど。
「なんかさー、先輩に聞いたら、就活用に使えるようなスーツがいいらしいよ。」
そう言われたから、買いに来たけど、意外に高くて。
「もっと安い店に行きたい。」
って言ったのに、けっこう強引に試着とかさせられるし。
「じゃあ、これ買ってくる。」
としくんは勝手にレジに持って行っちゃうから、
「としくん、私、お金持ってきてるから。」
財布を出そうとするけど、
「いいから。」
って、払ってくれた。
「としくん、あんな高いの買ってくれなくていいのに。」
「だって、Aの入学式だよ？
就活にも使うんなら、いいのを買っておいた方がいいと思うよ。」
「…そうじゃなくて、何でとしくんが買ってくれるの？」
「Aのそういう節目のものって、買ってあげたいからさー。
ちゃんと貯金してたんだよね。」
すごくうれしいんだけど。
いいのかな？
だって、７万円だよ？
「としくん、なんか申し訳ないんだけど。」
「Aは、黙って、ありがとう、ってもらっとけばいいんだって。」
って、隣で笑ってる。
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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (
レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2015年9月25日 11時
