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「A、どうしたの?」

ベッドに座ってる私の隣に腰かけて、頭を撫でてくれる。

「なんか変だよ?」

顔を覗きこもうとするから、ますます俯く。

「…結婚の話、したから?」

そうはっきり言われて、ますます顔が上げられない。

「ごめんね。
急に言われても困るよね。」

って、優しく頭を撫でてくれるそんな、としくんが好きだし。

ずっと一緒にいたいし。

でも、なんか…。

急に怖くなったんだ。






「今日のことは忘れていいよ?」

急にそういうことを言われるから、

驚いてとしくんを見る。

「Aにはちょっと早かったよね?
Aが寂しそうだったし、俺もずっとそうなったらいいなあ、って思ってたから。
つい、言っちゃった。
ごめんね。」

そう言われて、なんかやっぱり、変な気持ちになる。

忘れろ、って言われるのもなんか嫌で。

複雑なこの心境を、うまく言葉にできない。

わかってもらえるかどうか、わかんないけど。

ちょっと、言葉にしてみる。




「あのね、としくんに結婚しようって言ってもらえて、うれしいんだ。」

「ほんとに?」

って、としくんの優しい声が、頭の上から降ってくる。

「うん。
ずっと、いつか、そうなったらいいなあ、って私も思ってた。」

「でも、怖くなったんじゃない?
違う?」

「…うん。
なんか、自分の一生が決まっちゃったような気がした。」

「そうかー。
ごめんね。」

って、いつもの笑顔で、ずっと頭を撫でてくれてる。

「今すぐ結婚するわけじゃないし、
今すぐ結婚の約束しよう、って言ってるわけでもないから。
あんまり深く考えないで。
でも、俺はAと結婚したい、って真剣に考えてるよ。」

そう言って、優しいキスをしてくれた。

「もう寝な。
明日、電車が混むから早くでるからね。」

って、としくんは部屋を出て行った。

頭の中は、まだ、結婚のことで、グルグル。

どうなっちゃうんだろう、私。

そんなことを考えたら、眠れなかった。





朝5時に起こされて、としくん一家に挨拶して、電車に乗る。

始発の電車は、まだ空いてて座れたから、2人で爆睡して。

マンションに戻った。

「眠いから、寝ちゃわない?」

としくんにそう言われて、としくんの部屋のベッドに潜り込む。

昨日はいろいろ考えすぎて、眠れなかったから。

瞼を閉じたらすぐに、眠ってしまった。

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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時

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