検索窓
今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:214,102 hit

28 ページ28

大晦日の夜は、としくんは弟さんの部屋で寝て、私はとしくんの部屋で眠った。

朝は早く起きて、お母さんのお雑煮作りを手伝ったし。

元旦も、家族団らんで楽しく過ごして、2日の最後の夜。

キッチンのテーブルで、としくんに冬休みの宿題を手伝ってもらってたら、

なんか切なくなってきた。

思わず、

「…帰るのやだなー。」

って言ってしまう。

なんかこの、暖かくて賑やかな家の居心地がよすぎて、帰りたくなくなった。

としくんは、優しく頭を撫でてくれながら、

「Aはいい子だね。
そんな風に言ってくれて。」

とか言われる。

「お世辞で言ってるんじゃないよ?」

「わかってるよ。
だから、嬉しいんじゃん。」








「やっぱ、Aは寂しかったんだね。
家族と離れて。」

そうなのかな…。

意外に平気だったのに。

こんな楽しい年末年始を知ってしまったら、もう1人の年末年始なんて過ごせないな、って思っただけ。

「A、うちの子になる?」

としくんが変なこと言いだすから、

「うちの子って何?」

「宮田になる?ってこと。」

…どういう意味?

「養子になるってこと?」

そう言ったら、

「違うって。」

って、笑われるし。






「俺と結婚する?って意味だよ。」

あまりのことに、驚いて言葉も出ない。

「今すぐは無理だけど、俺が卒業して就職したら、
結婚しよう。」

びっくりしすぎて、手が震えてくる。

としくん家の実家のキッチンで、

こんなこと言われるなんて思ってなかったから。

「A、手が震えてるじゃん。」

って、手を握ってくれるけど。

「どうする?
うちの子になる?」

って、優しくとしくんが笑いかけてくれるから。

「うん。」

って、頷いた。






『結婚』という言葉を聞いてから、私はもう…、なんか変なんだ。

恥ずかしくて、としくんの目も見られないし。

なんか挙動不審。

あの後、お風呂に入って、としくんの部屋に戻ったけど。

としくんの目を見て、「おやすみなさい」が言えなかった。

なんか、ドキドキしすぎて。

今までおままごとみたいな幼稚な気持ちで、としくんと付き合ってたのに。

急に、現実を突きつけられて、動揺してるのと、

嬉しすぎてどうしていいのかわかんなくなってる。





コンコン、って部屋がノックされて、としくんが部屋に入ってきた。

なんかもう、緊張MAXで、としくんの顔が見れなかった。

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (266 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
695人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。