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大きな講堂で、説明会を聞いたり、体験授業を受けたり。
いつもここで、としくんは勉強してるんだなー、って思ったら、楽しくて仕方なかった。
在校生が案内してくれる、キャンパスガイドツアーを受けている途中、
学祭の準備をしているらしい一群を見つけた。
「Aの彼氏いるかなー。」
渡り廊下から、2人して見下ろしてみる。
としくんは、端っこの方で女の子と看板を書いてた。
多分、あの女の子は、凜ちゃん。
やっぱり、胸がチクリと痛んだ。
ただの後輩ってわかってるのに、
としくんの周りにいる人は、誰一人、私の知らない人だったから。
なんだか、としくんが遠くに感じた。
たったそれだけのことなんだけど。
気になって仕方なかった。
毎日会えないし、
としくんは私の知らない世界で楽しそうだし。
毎日、LINEは来るけど、私が拗ねたり我儘言えるような感じではなく。
としくんが、疲れ切ってるのがわかってるから、
[がんばってね。]
って毎回送ってたけど、本当に私が送りたかったのは、
[早く会いたい]
とか、
[帰ってきて]
とかの言葉で。
打ちかけては削除する毎日。
あまりに暇だから、毎日勉強してて、先月受けた模試では、とうとう合格判定がCにまで上がった。
これも、としくんに伝えたいことなんだけど。
学祭の前日の夜、としくんからLINEが届く。
[明日、学祭来てね。]
そう書いてあるけど、大丈夫なのかなあ。
[忙しくないの?]
って、送ると、
[待たせるかもしれないけど、休憩時間があるから、Aと回りたいんだけど。]
なんて返事が来たから舞い上がっちゃう。
[じゃあ行く。]
[待ってるね。
実行委員会のテントにいなかったら、そこにいる人に聞いて。]
としくんのLINEはそれで終わった。
やっと始まるんだね、学祭。
そして、やっと終わるんだー。
また、いつもみたいな生活に戻れる?
また、毎日としくんといたいよ。
学祭の日、お昼過ぎに大学に着いて、門をくぐると、
入ってすぐの受付に、凜ちゃんがいた。
受付の後ろに、学祭実行委員会、って書かれたテントがあって。
ちょっと離れた場所から、としくんを探すけど。
…いないなあ。
いない時は聞けって言われたけど、どうしよう…って思ってたら、
後ろから声をかけられる。
「何かお探しですか?」
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りた(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます(≧∇≦*)そう言って、いただけてありがたいです。近々更新予定ですので、どうぞよろしくお願いします(≧∇≦*) (2015年11月9日 7時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - とても好きなお話なので更新楽しみにしてます。 (2015年11月8日 23時) (レス) id: 32077ab7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月25日 11時