9 ページ9
だって、今まで、
「おい！」
とか、
「そこのチビ！」
扱いだったから。
名前で呼んでもらったのなんて初めてで、こっそり喜んでしまっていた。
でも、嬉しがってる自分を悟られなくないから、何もなかったかのように、
「そうなんですか。
ありがとうございます。」
とか、スカしたように流してみる。
「どういたしまして。」
いつものふわふわ口調でそう答えた玉森先輩は、また大あくび。
「とりあえず寝ない？
どうせ今外に出ても、無事に帰れそうにないし。
朝になったら、台風もどっか行っちゃってるでしょ。」
って、ソファーの隣の席をポンポン叩く先輩。
とりあえずソファーまで移動して、元いた位置へ座り直した。
「おやすみ。」
先輩が言ってしばらくすると、もう寝息が聞こえてくるから驚いた。
寝るの早！
とりあえず、私も瞼を閉じてみる。
そして先輩の寝息に合わせて、呼吸をしてみることにした。
そうしたらだんだん眠くなってきて、私はソファーの右端の肘掛にもたれかかるみたいにして、眠りにつくことができた。
カシャッ！
という、シャッター音で目が覚めた。
目を開けるとそこには、スマホを構えたみつ先輩がいて。
え？
何が起こったわけ？
辺りをキョロキョロすると、私の膝を枕にして仰向けで爆睡してる、玉森先輩が見えた。
「面白い写真が撮れたわ。」
悪どい顔したみつ先輩はそう言って笑う。
「撮ったんですか？」
「うん。
あとでAちゃんにも、送ってあげるね。」
そのままみつ先輩は部室から出ていこうとして、
「あ、パンフレットの原稿、あれでＯＫだから。
印刷所に回しといて。」
早口でそう告げると、帰って行った。
窓の外からは燦々と太陽の光が入ってきて、台風が過ぎ去ったことに安心してたけど。
…この状況、どうしよう。
私の膝の上ですやすや、子供みたいな寝顔で眠ってる玉森先輩。
今、私が動いたら、起きちゃうだろうし。
でも退かさないと、動けないし。
それに太ももが、先輩の頭の重みで痺れちゃってるんだけど。
とりあえず先輩の頭を、そっとソファーに降ろすことにする。
玉森先輩の頭をそーっと持ち上げて、ゆっくり体をずらしながらソファーの上に置く。
成功！
そこから物音を立てないようにソファーから降りて、パソコン前の椅子まで移動することができた。
…そんなことより、早くデータ入稿しないと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1537人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかめ(プロフ) - さやさん» そうだったんですか！３月２７日ですかね。すごい偶然ですねー(*'ω'*) (2016年12月30日 1時) (
レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 主人公の誕生日、本当に私の誕生日と一緒で読んでいてえー！って声に出しちゃいました笑。 (2016年12月28日 11時) (レス) id: d66c22dd39 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - masamiさん» コメントありがとうございます(*'ω'*)そう言っていただけたら、勇気が出ます。また読んでやってくださいねー(*'ω'*) (2016年2月16日 11時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
masami(プロフ) - すっごく面白かったです！最高です！ (2016年2月15日 23時) (レス) id: 3e1fab29aa (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - まおさん» 朝から読んでくれてありがとうです(/ω＼)私は学生だけど、社会人でもあります。教員免許を取るために、働きながら、今二度目の大学生活なう、なんですwwお恥ずかしい(/ω＼) (2015年10月1日 16時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わかめ
| 作成日時：2015年9月13日 18時
