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「ヤバいって?」

「いや、もう…、言葉にはできないかも。
とにかく、すごかった。
えろい、っていうか。」

自分で言いながら顔を赤くしてる玉森先輩。

そのうち、手で顔を仰ぎながら、

「もうこれ以上は聞かないで。」

だって。




「話は戻るけど、あれってどういう状況だったわけ?」

玉森先輩が言うから、最初から説明することにした。

忍先輩がずっとみつ先輩に片思いしてたことから、大久保先輩と帰って行くところまで。

もちろん、私が玉森先輩を好きだったって言ったことは、バッサリ削除して。

「まあ…、うん、知ってたよ。
忍先輩がみつのこと好きなのは。」

「そうなんですか?」

「見てたらわかるって。
多分、みつも気づいてたと思うよ。」

そんなもんなんだ…。

私の玉森先輩への恋心も、バレてなかったらいいな。




「それにしても先輩って、友達思いですよね。
今日もみつ先輩のために、頑張ってたし。
温泉旅行の時も、宮田先輩が企画したからって怒ってたでしょ?」

急に褒められてびっくりしたのか、しばらくポカンとして聞いてたけど、

「まあね、俺ってそういう出来た人間だから。」

って、照れ隠しなのか、ドヤ顔を見せてくる。

でも、本当にすごいって思ったんだ。

あんまり、人のこととか興味なさそうな感じだと思ってたから。






店の中には静かにクリスマスの音楽がかかっていて、

「クリスマスから冬季休暇じゃん?
実家帰んの?」

と聞かれて、少し言い淀んだ。

「うーん…、冬季休暇は、ずっとバイト入れてるので。」

「帰んないの?」

なんて驚かれるけど、本当のことを言っちゃっていいのか…。

「実は…、実家なくて。」

深い意味はなく、正直に打ち明けてみることにした。

「え?それって、どういうこと?」

「うちの両親、私が中学生の時に離婚したんで。
一応、私の親権は父が持ってるんだけど、再婚して海外赴任してて。
母も最近、再婚したから。」

この話は、あまり人に言ったことなかったな。

宮田先輩が知ってるぐらいで。

「それって、帰る実家がないってこと?」

「まあ…そう、かな?
あ、でも父とも母とも帰っておいでって言ってくれるんだけど、私が勝手に遠慮してるだけなんで。」

あんまり先輩が心配そうな顔してるもんだから、にこって笑いかけてみるけど。

やっぱ、するんじゃなかったな、こんな話。

一気に場が暗くなったような気がする。

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わかめ(プロフ) - さやさん» そうだったんですか!3月27日ですかね。すごい偶然ですねー(*'ω'*) (2016年12月30日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 主人公の誕生日、本当に私の誕生日と一緒で読んでいてえー!って声に出しちゃいました笑。 (2016年12月28日 11時) (レス) id: d66c22dd39 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - masamiさん» コメントありがとうございます(*'ω'*)そう言っていただけたら、勇気が出ます。また読んでやってくださいねー(*'ω'*) (2016年2月16日 11時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
masami(プロフ) - すっごく面白かったです!最高です! (2016年2月15日 23時) (レス) id: 3e1fab29aa (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - まおさん» 朝から読んでくれてありがとうです(/ω\)私は学生だけど、社会人でもあります。教員免許を取るために、働きながら、今二度目の大学生活なう、なんですwwお恥ずかしい(/ω\) (2015年10月1日 16時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月13日 18時

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