ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ

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帰り道、

「ま、結局、チビが実行委員会を辞めるのは、俺のせいじゃないってことでＯＫ？」

って、ちょっと機嫌よさげな玉森先輩。

「何で私が委員会を辞めるのが、玉森先輩のせいになるのか、わかんないんですけど。」

「だって、俺サボってばっかで、お前に仕事押し付けてたから。
嫌になって辞めちゃうのかなー、って。」

そういえば、前に言ってたな。

去年、コンビ組んでた子が、辞めちゃった話。

「私はちゃんと、学祭が終わるまで勤め上げましたよ？」

って、ちょっと自慢気に言ってみる。

先輩は、ふわふわって笑って、

「そうだね。」

って、頭を撫でてくれた。




「ほんとに辞めんの？」

「辞めます。」

「来年、俺が実行委員長になっちゃったら、どうすんの？」

なんて言うから、

「先輩が！？
絶対ないですよw」

って笑うと、

「わかんねーじゃん！」

ってムッとしてる。

「だって、玉森先輩が実行委員長になったら、えらいことになりますよ！？」

「は？
どういう意味だよ？」

「だってー、サボってばっかの実行委員長なんていないですよー。」

先輩は、急に立ち止まって、

「お前、ほんと生意気。」

って不満げな顔。





「そんなに生意気かなあ。」

「生意気だわ！」

「じゃあ、これからは本当のこと言わずに、お世辞だけ言えばいいですか？
先輩、すごーい！
先輩、カッコイイ！
って。」

からかうように言ったら、ムッとした表情の玉森先輩が、

無言で威圧するみたいに近づいてくる。

やば…。

ほんとに怒らせちゃったかも。

後ずさりしてたら、どこかの家の外壁に、背中がどんって当たって。

壁際に追いつめられて、逃げ場がない！

だから、横方向に、カニみたいに、壁伝いに逃げてたら、

バンって、進行方向を先輩の左手で遮られた。





…つか、これ。

今噂の…、壁ドンじゃん!!!

「お前なー、俺をナメすぎ！」

先輩の顔が10cmくらいの所に近づいてきて、

あまりの衝撃に、思わず…。

しゃがみこんでしまった(/ω＼)。




なのに、玉森先輩もしゃがみこんでくる。

冬になりかけの秋の肌寒い夜、路地裏で座り込んでる２人。

…なんか、おかしくない？

「何やってんの？お前」

って、先輩の呆れた顔が間近にあって。

もー…。

こういうのやだ。

先輩にドキドキとかしたくないのに。

だから、この雰囲気、壊したくて、

「今、先輩、壁ドンしてましたよ。」

って言ったら、玉森先輩の顔がみるみる真っ赤になっていく。

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