ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ

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あの赤い印は、どう見ても、昨日つけられたもので。

あの後、誰かと会ったんだ。

あの、栞さんって人かな。

そっか…。

内心かなりのショックだったけど、意外に冷静でいられた。

だって玉森先輩への恋心メーターは、もう15%にまで減少してたから。

だから、この事件をきっかけに、私の玉森先輩への恋心は、0、になった。

疲れて身も心もボロボロの状態の時に、この仕打ち。

でも、感謝してる。

いいきっかけをくれたな、って。

これで玉森先輩への長い片思いから、ようやく卒業することができた。







学祭も終わり、久々の実行委員会のミーティング。

久々に玉森先輩にも会う。

どうかな、平常心でいれるかな、って心配してたけど、意外に大丈夫だった。

「A、おつかれ。」

って、ふわふわな笑顔で、頭ポンポンされても、

「おつかれさまです。」

とか、営業スマイルで返せるくらい。




「打ち上げなんだけど、ちょっとこの間のじゃ、消化不良だと思うから。。
来月、みんなで一泊で温泉旅行でもしないかな、って話が出てんだけど。」

ミーティング中のみつ先輩の提案に、みんなは急に盛り上がり始めて。

私も打ち上げに行けなかったから、行きたいな、とか思ってたけど。

費用が一人１万５千円で、しかも今月末に集金、という話になったせいで、私のテンションはダダ下がり。

正直…、今、私はお金に困ってる。

実は先週から、大学近くのファストフードでバイトも始めた。

元々キツキツの仕送りで、バイトでお小遣いを稼ぐ予定が、実行委員会の活動が忙しすぎて、バイトもできず。

今の私は学食も食べられないほど、貧乏で。

お米だけは送ってもらえるから、毎日塩おにぎり持参で登校してるくらいの、貧乏ぶり。

「じゃあ、行く人ー！」

みつ先輩が参加人数の確認をする中、１人だけ手の上げられない私。

「え？Aちゃん行かないの？」

宮田先輩がそう言うから、周りの人達も、

「Aちゃんが打ち上げ来れなかったからって、旅行の話になったのに。」

「おいでよ。」

なんて誘ってくれるけど、理由が理由だけに、言いだしづらい。

お金がないから、なんて言えないじゃん。

バイトの給料が入るのは、来月半ば。

今月末集金なんて、とても無理なわけで。

「バイト始めて、忙しくて…。」

そう言っては、なんとかごまかした。

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