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これ以上、ここにいるのが耐えられなくて。

「じゃあ、失礼します!」

深々とお辞儀をして、そのまま店を出た。

慌てて、宮田先輩も店を出てくる。

「どうしたの?Aちゃん。」

「なんか…、あの雰囲気の中に居づらいっていうか…。」

「そっかー。
あの店はAちゃんには、まだ早かった?」

って、のんきに笑う宮田先輩。

宮田先輩が鈍感な人でよかった。

なんか最近の私は、ヤバイな。

先輩に近付きすぎて、見たくないものまで見えてしまってる。

で、うまく対処できなくて、こんな不自然なことをしてしまう。

ヤバイな…、ちょっと、玉森先輩と距離置きたい。









今週末は、大学近くの川で花火大会がある。

みんなで早く終わらせて行きたいね、って話しながら、部室でわいわいと事務作業をしてたけど。

とても終わりそうにないことに気づき、そのうちみんな言葉少なになり、会話もなくなってしまった。

現在、17時。

もう無理だな…。

「みつー。
ちょっと用事があるから帰るわ。」

玉森先輩の声が向こうの方から聞こえてくる。

今日はお互い別々の作業をしてたから、朝から先輩とはほとんど話もしていない。

「悪いな。
お前、忙しいのに。」

みつ先輩の声が聞こえて、

「お先でーす。」

と、玉森先輩が帰っていく。





そんな先輩を見て、

「玉、花火大会行くんじゃない?」

宮田先輩が、こっそり教えてくれる。

「1人で?」

「誰かと行くんでしょ?
誰だろうね。
あ、この間のBARにいた、綺麗な人だったりして。」

そう言って宮田先輩が笑いかけてくるから、私も笑い返したけど。

…うまく笑えてたかな。






結局、仕事が終わったのは、花火大会もとっくに終わった、深夜一時過ぎ。

ここんとこ、帰りは深夜続き。

電車なんてもちろん動いてないから、自宅までの二駅分を、いつも歩いて帰る。

我が家より一駅向こうに住んでる宮田先輩と、最近はずっと一緒に帰っていた。

「先輩、この忙しさって、いつまで続くんですか?」

「うーん…、学祭が終わるまで?」

そりゃそうだよね。

愚問だった…。







そしてお腹を空かせた私達は、いつものように帰り道にあるコンビニへ立ち寄った。

店に入って一番に、目に飛び込んできたのは、

2人でレジに並んでる、玉森先輩とこの間の綺麗な女の人だった。

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わかめ(プロフ) - さやさん» そうだったんですか!3月27日ですかね。すごい偶然ですねー(*'ω'*) (2016年12月30日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 主人公の誕生日、本当に私の誕生日と一緒で読んでいてえー!って声に出しちゃいました笑。 (2016年12月28日 11時) (レス) id: d66c22dd39 (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - masamiさん» コメントありがとうございます(*'ω'*)そう言っていただけたら、勇気が出ます。また読んでやってくださいねー(*'ω'*) (2016年2月16日 11時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
masami(プロフ) - すっごく面白かったです!最高です! (2016年2月15日 23時) (レス) id: 3e1fab29aa (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - まおさん» 朝から読んでくれてありがとうです(/ω\)私は学生だけど、社会人でもあります。教員免許を取るために、働きながら、今二度目の大学生活なう、なんですwwお恥ずかしい(/ω\) (2015年10月1日 16時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2015年9月13日 18時

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